亀戸事件から102年 江東区内で追悼会

虐殺の歴史 語り継ぐ

 関東大震災で混乱する1923年9月3日夜に警察が労働組合の活動家ら青年10人を連行し、その後警察から依頼された軍隊が5日未明までに青年らを虐殺した亀戸事件から102年。権力の蛮行を二度と繰り返させないと亀戸事件追悼会が5日、東京都江東区で開かれました。127人が参加し、会終了後、浄心寺にある追悼碑に献花しました。主催は同実行委員会です。

亀戸事件の犠牲者に黙祷する参加者=5日、東京都江東区(「しんぶん赤旗」提供)

 畔上三和子実行委員長は開会のあいさつで、犠牲になった川合義虎らは南葛労働協会を結成し全国の活動をはげます中、権力によって殺されたと述べ、許すことはできないと強調。開催を通じて会の今日的な意義を深めたいと話しました。

 日本共産党の里吉ゆみ都議と宮川泰彦日朝協会東京都連会長もあいさつしました。

 里吉氏は、事件3カ月前に警察は日本共産党への一斉弾圧を加え、さらに軍隊と警察が一体となって震災の混乱に乗じ、初代日本共産青年同盟委員長でもある川合氏ら社会主義者を一挙に根絶やしにしたと強調。虐殺犠牲者の追悼は震災犠牲者の追悼で代えられないと述べ、「悲劇を繰り返さないためにも史実に向き合い、歴史の教訓を継承するために力を尽くします」と話しました。

 宮川氏は、国も都も虐殺の真相解明や謝罪、償いをしないと指摘。極右排外主義の伸長に触れ、「過去の弾圧・殺害の歴史から学び、過去の過ちを正し生きていくことは今を生きるわれわれの責務だと思う」と参加者に呼びかけました。

 大和田茂氏がミニ講座で、犠牲になった平沢計七氏を軸に当時の亀戸周辺の労働運動等を解説。石播労働者うたう会・東部のうたごえが「青い空は」「原爆許すまじ」「南葛労働者の歌」を参加者とともに歌いました。

(「しんぶん赤旗」2025年9月6日付より)

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