外苑ラグビー場 都議会議連が知事に

多数の樹木を伐採し超高層ビルを建設する神宮外苑再開発(東京都新宿区・港区)について、「神宮外苑再開発を止め、自然と歴史・文化を守る東京都議会議員連盟」は2日、秩父宮ラグビー場の移転立て替えに伴う権利変換計画の申請を認可しないよう求める小池百合子都知事宛の申し入れ書を、都都市整備局の担当者に提出しました。
事業者の一つ、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)は7月31日、同ラグビー場を移転し屋根付き多目的施設として建て替える前提となる財産処分の認可を、阿部俊子文部科学相に申請。文科相は「ラグビー場の設計変更に伴う事業計画の変更と権利変換計画に、都知事の認可が得られること」などを認可の条件として挙げ、8月7日付で認可しましたが、権利変換計画の都知事への認可申請はまだ行われていません。
申し入れでは、再開発計画で貴重なヒトツバタゴを含む樹林が伐採される一方、再開発の再考を求める署名が34万人分寄せられ、著名人や専門家らが樹木伐採の中止を求めていると指摘。ユネスコ指紋組織のイコモス(国際記念物遺跡会議)がヘリテージアラート(遺産危機警告)を出していることに触れ、「日本が世界に誇るべき歴史と景観を失うこととなれば、東京都にとって歴史的汚点となることは間違いない」と強調しました。
申し入れには日本共産党から尾崎あや子、原田あきら両都議が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2025年9月3日付より)