知事 今年も「送らない」
東京都の小池百合子知事は1日の定例記者会見で、1923年9月の関東大震災時の朝鮮人虐殺に対する追悼文について「(9月1日の)慰霊大法要で、大震災で犠牲になった全ての人々に哀悼の意を表している。この考えは変わらない」と述べ、今年も追悼文を送付しない意向を示しました。
毎年9月に行われている関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典の実行委員会(宮川泰彦委員長)は同日、「自然災害で命を失った犠牲者の追悼と、人の手によって命を奪われた犠牲者の追悼の在り方、追悼の心は決して同じではない」として、追悼文を送付するよう小池知事宛てに要請しました。
関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を流した」などの流言が広がり、軍隊や警察、自警団などによって数千人といわれる朝鮮人、中国人らが虐殺されました。
朝鮮人虐殺の追悼碑は73年に墨田区の都立横網町公園に設置されました。翌74年から追悼碑前で毎年行われる式典には歴代知事が追悼文を寄せていましたが、小池知事は就任翌年の2017年から追悼文を送付していません。
(「しんぶん赤旗」2025年8月2日付より)