参院文科委 給特法改定案可決 吉良氏が反対討論

公立学校の教員に残業代不支給制度を温存する教員給与特別措置法(給特法)改定案の採決が10日、参院文教科学委員会で行われ、自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主の賛成多数で可決されました。日本共産党、れいわ新選組などが反対しました。
改定案は、教職調整額を引き上げつつ、残業代の不支給を継続するものです。
日本共産党の吉良よし子議員は反対討論で、教員の長時間労働は深刻だと指摘。阿部俊子文科相が「時間外在校等時間は必ずしもゼロにはならない」と答弁したことに「国ぐるみの違法労働隠しだ」など、現場で怒りの声が上がっていると述べ、残業代制度の適用や教員の基礎定数増などを求め「政府や文科省の責任で教員の長時間労働をなくすべきだ」と主張しました。
吉良氏は質疑で、石破茂首相の「教員の時間外勤務は労働時間に当たらない」と述べたことに教員から失望の声があふれているとして「長時間労働の是正は教員個人の裁量で解決できる問題ではない。時間外勤務を労働と認めない限り減らせない」と主張。改定案は、文科省が定めた「目に見える」時間外在校等時間を削り、「目に見えない」持ち帰り残業が増えるだけだと強調しました。
「文科省は、勤務実態調査も、基礎定数の改善も残業代支給もせず、教員の長時間労働を見直すために何をするのか」と質問。阿部文科相は、業務量の管理などを教育委員会に義務づけ、フォローアップしていくと答弁しました。
吉良氏は、文科省は何もしないのと同じだと批判し「教育委員会や校長に責任を押し付ける。最も無責任なのは文科省だ」強調しました。
(「しんぶん赤旗」2025年6月11日付より)