国 連人権委都の意見取り消しを PFAS汚染「実態なかったことに」

 日本共産党都議団は4日、PFAS(有機フッ素化合物)汚染の国連人権理事会の報告書に対する都のコメントで、多摩地域住民の自主検査に関わって「都民の不安をいたずらに煽るもの」などとして報告書からの削除を求めた意見について、取り消すよう小池百合子知事に申し入れました。

共産党都議団が申し入れ
 PFAS汚染で国連人権理事会のビジネスと人権作業部会は、5月末に公表した報告書で、東京西部地域での研究を示し、4つの有害なPFAS化学物質にさらされていることを示す学術研究にもかかわらず、血中濃度の大規模な調査を行わないなど日本政府の取り組みが不十分だと指摘。
 これに対し日本政府は、10点にわたるコメントを提出。その中には東京都が作成した「都民の不安をいたずらに煽(あお)るもの」「東京都西部地域の住民に関する部分は削除することを強く求める」とのコメントが含まれていたことが明らかになりました。
 同地域では原田浩二京都大学准教授と住民が自主的に血液検査に取り組み、実態を明らかにしてきました。報告書では「都内の民間病院がPFAS相談クリニックを開設したことも、積極的な取り組みのひとつである」と評価しています。
 尾崎あや子都議は「自主的に検査した住民から『実際に血中濃度が高かった地域の人たちの実態をなかったことにするのか』との怒りの声が寄せられている。コメントは取り消し、報告書の指摘を真摯(しんし)に受け止めるべきだ」と迫りました。
 環境局環境改善部化学物質対策課の東川直史課長、同計画課の古舘将成課長が応対。東川課長は「国連人権理事会『ビジネスと人権』作業部会による報告書に対する日本政府の見解のうち、東京都が作成に関わり記載されている内容は当然の内容と考えます」と答えました。

オスプレイ飛行再開の中止を
 米軍横田基地(福生市など多摩地域)のCV22オスプレイが2日、事前通告なしで飛行再開した問題について、国や米軍に厳しく抗議し、飛行再開の中止を求めるよう東京都に要請しました。
 和泉なおみ都議は、昨年11月に屋久島沖で同基地のオスプレイが墜落してから事故原因も安全対策も不明なままだと指摘。「住民の安全にかかわる問題は国の専管事項ではない。原因究明・安全対策が確認できるまで飛行再開すべきではないと国と米軍に求めるべきだ」と迫りました。
 この問題を巡っては、「横田基地周辺市町基地対策連絡会」(立川、昭島など5市1町で構成)が3日、「基地周辺住民の不安を更に高めるもの」だとし、再発防止策の徹底や事故防止への万全な措置などを求めています。都は北関東防衛局に電話で申し入れを行ったとして、基地対策連絡会の申し入れ文書に名を連ねていません。
 都市整備局基地対策部基地対策担当課の山崎高明課長が応対。「北関東防衛局に対して、オスプレイについては国の責任において安全対策の徹底や、基地周辺住民の不安が解消されるよう十分な説明責任を果たすことなどについて、改めて申し入れを行いました」と答えました。