横田基地オスプレイ飛行再開に怒り

命と安全を軽視 8日も飛行強行

 在日米軍横田基地(東京都多摩地域)配備の米空軍特殊作戦機CV22オスプレイが周辺自治体に無通告で飛行を再開(2日)したことに、周辺自治体が「遺憾」を表明し、住民からは不安や怒りの声が上がっています。米軍は、飛行は認めたものの飛行ルートなど詳細は一切公表せず、飛行を続行しようとしています。

 横田基地のCV22は、8日も飛行。羽村平和委員会が、午前11時29~38分、午後2時31~43分、午後4時55分~5時3分の3回の飛行を確認しました。

 第374空輸航空団広報部は、本紙の問い合わせに対し2日、同基地配備のCV22が鹿児島県屋久島沖で墜落した昨年11月以来の飛行を行ったと認めました。しかし、当日の飛行ルートや空域などは「作戦上の安全上の理由から、飛行ルートを含む運航の詳細は公表していない」と明らかにしませんでした。横田基地ホームページのニュースは、「飛行可能への復帰は、自由で開かれたインド太平洋を維持する日米安保条約に基づく米国の義務を順守する上で重要だ」として、今後も飛行を続ける姿勢を示しました。

 飛行再開の目視情報を周辺自治体に提供した防衛省北関東防衛局は、順次運用を行っていくと認識しているなどとして飛行を容認。今後の飛行情報は「米軍の運用に関することで明らかにしていない」として、自治体に提供しないことを明らかにしています。

 周辺5市1町でつくる基地対策連絡会は3日、米軍と防衛省への要請で「事前の通告もなく飛行を再開したことは地域住民の不安をさらに高めるもので誠に遺憾」だとして、安全対策、再発防止策の徹底と事故防止の万全の措置を講ずることなどを求めました。

 日本平和委員会は3日発表した抗議声明で、米軍自身が屋久島沖の事故について「どの部品が故障したかはわかっているが、なぜ故障したのかその理由はまだわかっていない」とし、クラッチの不具合についても「再設計されたクラッチを持つまではリスクを除去したことにはならない」と議会で証言していると指摘。「飛行再開を強行するなど、住民の命と安全を無視した暴挙以外の何物でもない」と批判しました。

(しんぶん赤旗2024年7月10日付より)