アマ大会を狙い撃ち
都立の東京体育館で2倍を超える異常な利用料アップが都民スポーツを直撃しています。スポーツ愛好者に冷たい小池都政の姿勢が反映しています。(青山俊明)
昨年8月の値上げによって、アマチュアスポーツで入場料を取らずスタンド不使用の場合、土日祝日にメインアリーナを1日使用すると12万2000円から27万5100円へ、2・25倍になりました。
今回から導入された平日料金でも1日22万100円。1・8倍の値上げです。しかし、プロスポーツ使用の値上げ率は最高でも1・5倍。都民が参加する身近な大会が最も影響を受けます。
新日本スポーツ連盟東京都連盟は、年間17日間ほど同体育館で600人規模の卓球大会を開いています。減額制度があっても値上げで総額約150万円の負担増になります。小林章子理事長は「赤字が出なければいいと思ってやってきたが、節約しても非常に厳しい」と訴えます。
都は値上げを「光熱費の高騰をはじめとする昨今の物価上昇」のためと説明しますが、アマチュアの負担をより重くする理由にはなりません。
配慮一切なく
公共施設の値上げは、利用者への急激な負担増とならないように留意するとして2倍以内に抑えるのが一般的です。今回はそうした配慮が一切なく、異常な値上げといえます。
改修中の駒沢オリンピック公園の体育館も都立施設ですが、アマチュア利用の新料金は従来の約1・1倍。土日祝日と平日の区分もありません。
東京は人口当たりの体育館数が47都道府県で最低、全国平均の3分の1以下です。値上げされても使わざるをえず、東京体育館の稼働率はほぼ100%。アマチュア利用の大幅値上げは、都民スポーツの普及・振興より、収益性を優先する都の姿勢を表しています。
東京五輪強行
コロナ禍で小池都政が強行した東京五輪。小林さんは「何もいいことはなかった」と言い切ります。大会前後は施設が使えなくなり、ようやく使えるようになったら値上げです。小林さんは、「スポーツの権利がおざなりになり、どんどんもうけの対象になっている」と批判します。
東京五輪は、神宮外苑や晴海、築地の大規模開発に利用され、汚職や談合という負の遺産を残したことに怒りが収まらない小林さん。「都はお金を稼ぐことばかりに熱心で、文化・スポーツに全然お金を出さず冷たい。都知事選で文化・スポーツが輝く都政への転換を求めます」
(しんぶん赤旗2024年7月5日付より)