企業の責任で賃上げを|参院財政金融委員会

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 日本共産党の小池晃書記局長は18日の参院財政金融委員会で、企業がコスト増加分を上回る値上げで収益を増大させながら、賃金に還元しない「強欲インフレ」が起きていると指摘し、企業に社会的責任を果たさせ、具体的な賃上げ策を取るよう求めました。

 小池氏は、日本政策投資銀行の調査報告書が、2023年以降、物価上昇要因のほとんどが企業収益の増加によるもので、賃上げ要因はごくわずかだとしていることを示し、「強欲インフレ」の状況になっていると指摘しました。

 また、昨年12月の日銀の「生活意識に関するアンケート」調査によれば、物価上昇が続いた21年以降、今後1年間の支出を考えるにあたって物価を考慮するという人の割合が高水準を維持していると紹介。「このまま賃金上昇を伴わない強欲インフレ型の物価上昇が続けば景気を下押しする可能性がある」と強調しました。

 日銀の植田和男総裁は「物価の伸びが名目賃金の伸びを上回って推移する場合、個人消費に下押し要因となるのはその通り」と答えました。

 小池氏は、中小企業が賃上げどころか倒産している状況のもと、大企業の社会的責任が問われていると強調。5兆円の利益をあげたトヨタ自動車の、今年度の下請けなどへの賃上げ支援は3000億円にすぎない一方、株主への還元は2兆円にのぼり、この1年で内部留保である利益剰余金を4兆円以上積み増ししていると指摘しました。

 その上で、「中小企業も含めた力強い賃上げが実現しなければ経済が立ち行かない」として、大企業の内部留保の時限的課税など、ため込まれた利益剰余金を下請け支援や賃上げに還元するための手だてを取るよう要求。矢倉克夫財務副大臣は「サプライチェーンの隅々まで賃上げが必要」と答弁しました。

(しんぶん赤旗2024年6月20日付より)