築地跡地再開発予定企業グループ 三井不・読売…大手ずらり

❚ 公約捨て5万人施設「経済界ファースト」

 東京都は築地市場跡地(中央区、約19ヘクタール)で計画する再開発の事業予定者に、三井不動産や読売新聞グループ、大手ゼネコン4社、朝日新聞社、トヨタ自動車などでつくる企業グループを選びました。

 5万人規模の屋根付き集客施設やオフィス、ホテル、マンションを中心とする計画。小池百合子知事が「市場機能確保の方策を見いだす」「(仲卸業者が)築地へ復帰する際のお手伝いはする」(2017年6月)としていた公約を投げ捨て、世界から人と物を集める拠点とする「経済界ファースト」の再開発構想となっています。

 事業予定者は三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店、日建設計、パシフィックコンサルタンツ、朝日新聞社、トヨタ自動車の11社でつくるグループ。

 予定者の提案書によると、収容人数5万人規模のスポーツ大会やイベントを開催可能な屋根付きの大規模集客施設を造るほか、大規模会議場やオフィス棟、ホテル、高層マンションなどを内容としています。

 都は70年間にわたり土地を貸し付ける方針で、24年度末に事業予定者と基本協定を締結し、施設の大部分は32年度に工事を終了する予定。事業費は約9000億円を見込んでいます。

 三井不動産は五輪選手村用地(中央区晴海)や神宮外苑(新宿区・港区)の大型再開発でも事業者の中心になっています。

 都は19年3月の「築地まちづくり方針」で知事公約を踏みにじって、築地地区の将来像として「国際的な交流拠点」「国際会議場等の機能を中核」とすることを打ち出しました。

 21年3月に策定した「『未来の東京』戦略」では、都心部や臨海部と並んで「東京の国際競争力を維持・向上させる」「新たな東京の魅力を創造・発信する国際交流拠点」と位置付けています。

 日本共産党の尾崎あや子都議は21年11月の都議会都市整備委員会で「都民の財産である都有地は都民のために使うべきだ」と述べ、大型箱ものの建設ではなく、「都民の意見を尊重し、築地場外市場や仲卸業者の意見を聞いて、地域や地元業者の活性化につながるものに見直す」よう求めました。

(しんぶん赤旗2024年4月29日付より)