コロナ後遺症対策を

❚ 参院委 吉良議員、実態示し要求

 日本共産党の吉良よし子議員は8日の参院決算委員会で、新型コロナウイルス感染症の後遺症について「全国コロナ後遺症家族の会」に寄せられた実態を紹介し、支援を求めました。

質問する吉良よし子議員=8日、参院決算委

 吉良氏は、厚生労働省がいまだにコロナ後遺症の患者総数について把握していないと指摘し、「総数を把握し、公表すべきだ」と要求。武見敬三厚労相は「総数の把握は定義や調査方法が異なるので困難」と述べるにとどまりました。

 吉良氏は、今月からのコロナ感染症の特例措置の見直しで、コロナ治療薬は全額患者負担となり、治療薬は最大3万円近くの負担になることに触れ、検査でコロナ陽性であっても治療薬を処方してもらわない患者も出てきていると指摘。「後遺症発症リスクを上げず、コロナ後遺症外来を減らさないよう対策をとるべきだ」とただしました。武見厚労相は「基本的な感染症予防対策のよびかけと後遺症状の診察をおこなう医療機関のリスト公表を継続する」と答弁しました。

 吉良氏はリストの医療機関の数も少なく、いまだにたらい回しの事例があることを紹介。医師の理解を広げるため、『診療の手引き』を改訂する必要があると指摘。「患者を見捨てずにがんばる臨床現場の知見を積極的に載せるべきだ」と、寝たきりなどの症状で後遺症外来を受診した患者の8割が回復につながっている上咽頭擦過療法などの治療法の記載を求めました。

 さらに、吉良氏は経済的支援について、障害者手帳の交付にあたって障害認定する際、原因は問わないことを確認すると、武見厚労相は「対象になる」と認めました。吉良氏は、コロナ後遺症も含め、障害認定の対象になることを「指定医」に周知徹底すべきだと求め、「後遺症患者が生きていける希望を届ける対策を」と強調しました。

(しんぶん赤旗2024年4月9日付より)