参院予算委 山添氏「裏金、選挙買収か」

 日本共産党の山添拓議員は6日の参院予算委員会で、自民党派閥の裏金事件の徹底的な実態解明を迫り、清和政策研究会(安倍派)幹部らの証人喚問を求めました。岸田文雄首相は、自民党の「聞き取り調査」(2月15日)の内容をなぞるばかり。山添氏は、裏金が選挙買収に使われた疑惑も含め、使途を明らかにするよう迫りました。(論戦ハイライト

質問する山添拓議員=6日、参院予算委(しんぶん赤旗提供)

 山添氏は、1日の衆院政治倫理審査会では安倍派幹部らが、裏金づくりは会長と事務局長の間で決められ、二十数年前から行われてきたと明らかにしていると指摘し、「当時の会長である森(喜朗)氏に聞くべきではないか」と迫りました。ところが、岸田首相は「聞き取り調査」を持ち出し、「森元総理が直接関わったという言質は確認されていない」「(裏金づくりは)『10年前から』で、それ以上は不明との結論になっている」などと答弁。山添氏は「政倫審では二十数年前からと言われている。それを踏まえて答弁すべきだ」と批判し、森氏と事務局長の証人喚問を求めました。

 山添氏は、裏金の使途をめぐり、自民党議員がこれまで選挙買収事件などをたびたび起こしてきたことを指摘し、「今回の裏金に限って正しく使われたとなぜ言えるのか」と追及。岸田首相が「聞き取り調査では『政治活動以外に用いた』と述べる者は1人もいなかった」と答弁したのに対し、「聞き取り調査でも『他の現金と混在していた』と述べている人もいる」と答弁の矛盾を指摘しました。

 自民党においては、20年前の2004年に発覚した日本歯科医師連盟から平成研究会(茂木派、旧橋本派)への1億円ヤミ献金事件でも、22年に有罪となった薗浦健太郎・元首相補佐官の闇パーティー事件でも、裏金が選挙に使われていたことが明らかになっています。

 山添氏は、関係者が「収支報告分のみで選挙が行われているとは誰も思っていないのが永田町の常識」(平成研の元会計責任者)「選挙の際には法定の費用を上回る支出額となってしまうのが通例」(薗浦氏の元秘書)と裁判や捜査で証言していると示し、「20年前から同じようなことをやっている。表に出したくない、出せないからこそ裏金が積まれてきている」と指摘。その上で「安倍派では、参院選の年だけ裏金が増えた議員がおり、選挙のためではないかとの疑いがある」と実態解明を迫りました。

首相、具体的答弁なし

 岸田首相は、「確認する」と述べるのみで具体的なことは明言せず。山添氏は「真相解明がまだまだだということは明らかだ。責任を明らかにするとともに、金権腐敗の根を断つために、企業・団体献金の禁止に踏み込むべきだ」と主張しました。

(「しんぶん赤旗」2024年3月7日付より)