【病院独法化】都立・公社病院、2022年度独法化/コロナ拡大のさなかに都が方針

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東京都は31日、都立病院、公社病院の地方独立行政法人化を進める「新たな病院運営改革ビジョン」を公表し、全ての都立8病院と都保健医療公社の6病院を、2022年度内をめどに地方独立行政法人化する方針を決めました。

ビジョンでは、災害や感染症、救急、周産期などの行政的医療には都民の税金が投入されていると強調。
昨年12月末に公表した素案では「費用を削減する」としていた表現を「最小の経費で最大のサービスを提供する」と改めました。

都立直営では人員の確保や医療機器の調達などで「迅速かつ柔軟な対応が難しい」として、独法化で人事や給与の「柔軟な制度構築が可能」、病院運営のあり方の見直しで「無駄な経費の一層の削減を図る」としました。

しかし、独法化された各地の公立病院で運営費への財政負担が削られている実態には触れていません。

ビジョンは、都立病院と公社病院を一体的に運営する「東京都病院機構」(仮称)を、2022年度内をめどに設立するとしました。
仮称ではありますが、法人名にも病院名にも「都立病院」の言葉はありません。

ビジョン素案に対して都民から「不採算な行政的医療が削られることを危惧する」など1511件の意見が寄せられましたが、都は従来の見解を繰り返すだけでした。

「決定に抗議」連絡会が声明

都立病院の充実を求める連絡会」は31日、都立・公社病院の独法化を進める「新たな病院運営改革ビジョン」に対し、「新型コロナウイルスの感染拡大を止める重要な時期に、独法化の方向を強行した決定に抗議する」との声明を発表しました。

(2020年4月1日付「しんぶん赤旗」より)

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icon-arrow-circle-o-right東京都サイト「新たな病院運営改革ビジョン~大都市東京を医療で支え続けるために~」の策定について