「核抑止力」論と決別せよ G7広島ビジョン批判

質問する笠井亮議員=24日、衆院予算委(しんぶん赤旗提供)

衆院予算委 笠井氏

日本共産党の笠井亮議員は24日の衆院予算委員会で、被爆地・広島で開かれた主要7カ国首脳会議で発表された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」について質問し、被爆地から核兵器にしがみつく宣言を行ったことは「歴史に汚点を残す恥ずべきことだ」と岸田文雄首相の責任を厳しく追及しました。その上で、「核抑止力」論と決別し、核兵器禁止条約に参加するよう強く求めました。

笠井氏は、「ビジョン」が核廃絶を「究極の目標」に先送りし、核兵器は「防衛目的のために役割を果たす」としたことは、被爆者や市民社会の願いを裏切るもので、「被爆者と被爆地を愚弄(ぐろう)するものだ」と批判。「広島の名前はつけてほしくない」の声を紹介し、「被爆2世の私も同じ思いだ」と強調しました。

昨年の主要20カ国・地域(G20)首脳宣言で明記された「核兵器の使用又はその威嚇を許さない」という文言について、今回盛り込まれなかった理由を追及。岸田首相は、「ビジョン」には同宣言を「想起する」と「明確に確認した」と強弁しました。

笠井氏は、「ビジョン」がロシアを限定し核の威嚇を許さないとする一方で、G7は「核抑止」という核の威嚇で相手を抑えると指摘。カナダ在住の被爆者サーロー節子さんが「自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」との発言を紹介しました。

岸田首相自身が今後の議論の土台になると評価している昨年の核不拡散条約(NPT)再検討会議の「最終文書案」は、核兵器の非人道性やNPT第6条に基づく「核兵器の完全廃絶の明確な約束」、核兵器禁止条約に触れています。笠井氏は首相に対し「(これらを盛り込むよう)提起したのか」と迫りましたが、首相は「参加国の調整の結果」などと答弁。笠井氏は、「ビジョン」はこれらに一切言及せず「明らかに後退だ」と厳しく批判しました。

(「しんぶん赤旗」5月25日付より)