留学生への搾取追認を批判

日本語教育機関法案 参院本会議で吉良よし子議員

質問する吉良よし子議員=17日、参院本会議(しんぶん赤旗提供)

日本共産党の吉良よし子議員は17日、参院本会議で、外国人留学生への搾取の追認につながる「日本語教育機関法案」について、政府の姿勢をただしました。法案は、法務省の告示で定める日本語教育機関を文部科学省が認定する制度に移行し、日本語教師を国家資格の「登録日本語教員」にするもの。政府は、「留学生30万人計画」に続き、2033年までに「40万人をめざす」としています。

吉良氏は、多額の借金を抱え来日し、学費、生活費等でアルバイトに追われ、週28時間の就労上限を超え働いた場合、在留資格を失う恐れがあるなど留学生の深刻な実態を告発。政府は「留学生を使い勝手の良い安価な労働力として受け入れてきた」「30万人達成ありきで在留資格を出し続けてきた」と指摘し、外国人受け入れを留学生と労働者に分ける政策への転換を訴えました。

斎藤健法相は「指摘は当たらない」「(政策転換は)幅広い検討をする」と答えました。

吉良氏は、留学生搾取をしている悪質な日本語学校が多数あるのに、法務省が告示抹消処分にしたのは2件だけだと指摘し、「文科省認定に切り替え、悪質な学校は除外できるのか」と追及。永岡桂子文科相は「教育実施状況の毎年の報告などの義務が課せられる」「基準を満たした質の高い機関が認定を受けられる」と答弁し、除外できるかは明言を避けました。

吉良氏は、日本語教師の半数はボランティアで3分の2が非常勤、常勤でも7割が年収400万円未満だとして、「登録日本語教員」で処遇改善になるかと質問。永岡文科相は「キャリア証明する仕組みを検討」などと答えるだけでした。

(「しんぶん赤旗」5月19日付より)