受験生を痴漢から守れ 共産党 政府に対策強化要請

国会議員団と4都県議員ら

日本共産党国会議員団と党東京都、千葉、神奈川、埼玉各県議員団は13日、大学入学共通テスト(14、15両日)を前に、政府に対して受験生をねらう痴漢を防ごうと、加害防止と被害者の救済対策強化を申し入れました。田村智子、吉良よし子、山添拓各参院議員と池川友一、福手ゆう子、米倉春奈各都議、みわ由美千葉県議、大山奈々子神奈川県議、前原かづえ、秋山もえ両埼玉県議が参加し、申し入れ書を関係省庁に手渡しました。

内閣府など関係各省庁担当者(左から3人)に申し入れる(その右から)山添、吉良、田村の各議員と東京、神奈川、埼玉、千葉の各都県議団代表者ら=13日、国会内(しんぶん赤旗提供)

申し入れ書は「痴漢は、最も身近な性暴力の一つであり性犯罪」だと強調。本格的な受験シーズンを迎え、すでにSNS上に受験生を標的とした痴漢をあおる投稿が散見され、「大事な入試を控えた受験生には通報されないだろうと見越したものでもあり極めて悪質」と指摘。5項目にわたって政府として全国的な対策強化にとりくむよう主張しています。

参加者は「都議団のネットアンケートで、女性専用車両について『増やしてほしい』『専用車両の趣旨や意義の説明を』などの声が多く寄せられた」(米倉氏)、「共通テスト時にネット上で痴漢行為をあおる投稿があるとの情報を受け、県議団として知事に申し入れを行った」(秋山氏)などのとりくみも交え、痴漢加害防止と被害者救済の強化を求めました。

文部科学省の担当者は「12日付で、大学入試センターのホームページ上で受験を受けられない『やむを得ない事由』に事件や事故とともに、痴漢被害を例示した。追試験を受けられるように対応する」と答えました。

 


 

日本共産党国会議員団が13日に政府に提出した「受験生をねらった痴漢の加害防止と被害救済の強化に関する申し入れ」は次の通りです。

 痴漢は、もっとも身近な性暴力の一つであり性犯罪です。

本格的な受験シーズンを迎え、すでにSNS上に受験生を標的とした痴漢をあおる投稿が散見されます。卑劣な犯罪である上に、大事な入試を控えた受験生には通報されないだろうと見越したものでもあり極めて悪質です。

日本共産党は、国会及び各地の地方議会で痴漢や盗撮の加害防止と被害救済の対策強化を求めてきました。政府として、この時期に合わせて全国的に対策を強化するよう、下記のとおり申し入れます。

 1.中学校、高等学校、大学などの受験シーズンに、痴漢加害を起こさせないよう、公共交通機関における対策を普段以上に強化すること。

鉄道事業者を含めて関係機関と連携し、駅係員の増員、電車内の巡回警備、警察官による巡回を強化すること。

2.「痴漢は犯罪」など、痴漢加害防止のためのアナウンス放送や電車内の動画、電光掲示板、SNSでの呼びかけなどを強化するよう鉄道事業者に求めること。

第三者が行動の必要性を具体的に意識できるよう、「アクティブ・バイスタンダー(状況に応じて行動する傍観者)」の考え方を取り入れ、とりくみを行うこと。

3.性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターや警察など痴漢被害に遭った際の相談機関について広報すること。

4.痴漢被害のために大学共通テストに遅刻する場合、救済措置の対象となる旨を周知すること。また、他の入試についても同様の対応となるよう協力を依頼すること。

5.「痴漢ゼロ」に向け、政府が検討中の「痴漢撲滅パッケージ(仮称)」を早急に策定し、加害を防止するという立場を明確にした実効ある対策を行うこと。

 

(しんぶん赤旗2023年1月14日付より)