解散命令請求ただちに 統一協会の不法行為明らか 衆院予算委 宮本徹議員、首相を追及

自民党としての総括と反省必要

質問する宮本徹議員=18日、衆院予算委(しんぶん赤旗提供)

日本共産党の宮本徹議員は18日の衆院予算委員会で、統一協会(世界平和統一家庭連合)による組織的支援の見返りに、政府・自民党が統一協会側に便宜を図った疑惑を告発し、被害を野放しにしないために解散命令請求(宗教法人格取り消し)をただちに行うよう迫りました。岸田文雄首相は聞かれたことに答えられず、解散命令請求にも後ろ向きの姿勢に終始しました。

宮本氏は、高額献金などで被害を広げてきた反社会的団体である統一協会の考えの根源にあるのが、日本を韓国に貢ぐ“エバ国”とする考え方だと指摘。「韓国教団に送金するために違法に国民の財産を収奪してきた団体との認識はあるか」とただしましたが、岸田首相は「韓国の本部への送金も報道等で承知している」などと述べるだけでした。

宮本氏は、「選挙での支援目あてに国民を苦しめる反社会的カルト集団の広告塔になった議員は罪深い」と批判。安倍晋三元首相らが参院選比例区で統一協会票を差配していたとの証言などを示し、「自民党自身が参院選で統一協会の組織的支援を受けていたことになる。自民党としての総括と反省が必要だ」と迫りました。しかし岸田首相は「選挙等を通じて各議員がどのような関わりを持ったかは議員それぞれ」などと無責任な答弁に終始しました。

宮本氏は「組織的支援で得られた議席にはけじめを」と追及。その上で選挙支援の見返りに政府が便宜を図った疑惑の徹底究明が必要だと告発しました。

被害者が国と統一協会信者らを訴えた国家賠償請求訴訟の和解調書(14年)では、国が裁判長の提案をうけて適切な宗務行政を行うことを約束したのに、何らの改善策も取られませんでした。そればかりか「適切な宗務行政」とは逆に、和解調書の翌15年、安倍政権前には認められなかった名称変更が認められました。

宮本氏は09年まで行われた国による協会への事情聴取が国賠訴訟を理由に中止され、その後も再開しなかった理由を追及。ところが永岡桂子文部科学相は聞かれたことに答えず無関係なペーパーを読み上げ、議場から「質疑妨害だ」「答弁になっていない」などの声が飛びました。

宮本氏は「文化庁宗務課の方針がなぜ変わったのかの資料は3カ月たっても示されない。統一協会との関係を断ち切るというのであれば、便宜をはかった疑惑は政府が徹底究明すべきだ」と強調しました。

被害を野放しにしないためには、宗教法人法に基づく解散命令請求をただちに行うことが必要です。宮本氏は政府が解散命令請求の要件を刑法等の違反に限り、民法の不法行為責任は入らないとする運用をとる一方、民事裁判で統一協会の不法行為責任を認めた判決をふまえて、宗教法人法の質問権の行使を指示したことを指摘。「解散命令請求も、運用を変えるべきだ」とただしました。ところが岸田首相は「法律の解釈は変わっていない」と繰り返すばかり。宮本氏は「その解釈では、質問権をいくら行使しても、解散命令請求はしないことになる。宗教法人法の要件には刑法等に限るとは書いていない。勝手な解釈への固執はやめるべきだ」と求めました。

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論戦ハイライト

日本共産党の宮本徹議員は18日の衆院予算委員会で、反社会的、反国民的カルト集団の統一協会から選挙で組織的支援を受けてきた自民党と統一協会の癒着の根深さを追及するとともに、まともに対応してこなかった政府の責任を厳しくただしました。宮本氏は、統一協会が長年求めてきた名称変更まで認めたことをあげ、「統一協会に便宜を図った疑惑を政府自身が徹底的に究明すべきだ」と主張。被害者が求める「解散命令請求」にただちに踏み切るよう求めました。また、介護保険の利用者負担増を厳しく批判しました。

統一協会との癒着 政府の責任を問う

 

宮本 自民党への支援 反省を

首相 個々の議員によって異なる

宮本氏は、統一協会が正体を隠して伝道を行い、異常な高額献金などで被害を広げてきた反社会的団体で、「この根源にあるのが日本を韓国に貢ぐエバ国とする考え方」だと指摘。毎年数百億円が韓国教団本部に送金されてきたことなどを紹介して認識をただしました。

宮本 違法なやり方で国民の財産を収奪してきた団体であるとの認識はあるか。

岸田文雄首相 社会的に問題が指摘されている団体であると認識している。

宮本氏は、「選挙での支援目当てに国民を苦しめる反社会的、反国民的カルト集団の広告塔になった議員は本当に罪深い」として、「自分の議席を優先するのか、国民の幸せを優先するのか、政治の根本姿勢が問われる」と強調。統一協会関連団体の世界平和連合、勝共連合などの日本代表が安倍晋三元首相について「2012年ごろから応援させていただいた」とし、「選挙においては、依頼された方を各地で応援させていただいた」と述べたとして、「8万票といわれる統一協会票が当落を左右するのが参議院比例区だ」と指摘しました。同党の宮島喜文(16年)、井上義行(22年)両氏が統一協会の組織的支援を受けて当選しています。

参院比例区は個人名の得票が政党の得票としてカウントされ、政党の議席数に結び付く制度です。宮本氏は自民党が組織的支援を受けたということだとして追及しました。

宮本 自民党としての総括と反省が必要ではないか。

首相 (党としての反省に触れず)統一協会との関係は、個々の議員によって異なる。

宮本氏は、参院比例区での統一協会の組織的支援の始まりが13年の北村経夫議員だとして、安倍元首相直々の同氏への支援依頼や、当時の菅義偉官房長官の招待による統一協会幹部の官邸訪問などの報道を指摘して追及。岸田首相が統一協会との関係で「8項目にわたって(議員の)行動を点検している政党はわが党だけだ」などと答弁すると、議場は「質問に答えろ」など批判と怒号で一時騒然となりました。

宮本氏は「官邸ぐるみで取引があったのではないかという重大な疑惑だ」と批判し、菅前首相と北村氏の参考人招致を求めました。

宮本 一転、名称変更認める

首相 経緯わかる資料見ていない

宮本氏は、政府が選挙支援の見返りとして統一協会に便宜をはかってきた事実を徹底的に究明する必要があると迫りました。

宮本氏は、国が統一協会を野放しに、解散命令請求や質問権行使をしなかったことを違法と訴えた国家賠償請求訴訟で、2014年に和解が成立したことを指摘。その調書で、裁判長は、「従前の宗務行政の適法性・妥当性に対する疑問の余地がないわけではない」との見解を示しました。

宮本 和解調書を受けてどういう改善をしたのか。

永岡桂子文部科学相 正当な法務行政をやっていく。

宮本氏の質問に永岡文科相は答えられず、かわって葉梨康弘法務相が答弁し、委員会室は騒然。答弁にたった永岡文科相も支離滅裂なことしか言えません。

宮本氏は、調書を受けて国が適切な宗務行政を行うことを約束しながら、「何にも改善されていない」と批判。1996年から2009年までの間に統一協会に面接を9回行い、活動状況を聴取していたものの、「国賠訴訟中であることを理由に中断し、終了したのちも再開していない」として次のようにただしました。

宮本 なぜ統一協会の事情聴取を再開しなかったのか。

永岡文科相 所轄庁としては、報告徴収・質問権の行使に向けた手続きを進める必要があると考えている。

永岡文科相は、質問とは関係ない答弁書を延々と読み上げるだけ。宮本氏は「聞いたことに何にも答えていない」と厳しく批判するとともに、和解調書の翌年には統一協会の名称変更が認められ、正体隠しの勧誘がいっそう容易になり、新たな被害につながったと指摘。1997年以来、文化庁宗務課が認証はできないとしてきた考え方が「どういう検討・経緯で2015年に変わったのか、説明できる資料が一切示されていない」と批判しました。

宮本 首相は、経緯がわかる当時の資料を見たことがあるか。

首相 見ていない。

宮本 資料を出さないまま闇に葬るなど許されない。

宮本氏は、国が和解調書での約束をかなぐりすてる一方、安倍政権以前は認めてこなかった統一協会の望む名称変更を認めたことは「統一協会に対する便宜が選挙支援の見返りで行われたということになる」と強調しました。

宮本 解散請求へ運用変えよ

首相 政府判断変わっていない

統一協会の被害をこれ以上広げないためには、政府がただちに解散命令請求を行う必要があります。宮本氏は、政府は解散命令請求の要件を自ら狭く限定する運用を続けているとして、「勝手な解釈に固執するのはやめるべきではないか」とただしました。

これまで政府は解散命令請求について、要件を刑法等の刑事罰に限定し、統一協会の不法行為責任や使用者責任が認められた民事裁判の判決は要件に当たらないと拒否。質問権の行使も同様の理由で背を向けてきました。宮本氏は、岸田首相が17日に統一協会の民事裁判での不法行為責任を認めた判決などを理由に「質問権」の行使を初めて指示したものの、解散命令請求の要件については変更を明言していないとして、次のように迫りました。

宮本 解散命令請求についても、民事裁判の判決を根拠に行う運用に変えるべきだ。

岸田 要件の定義に民法は該当しない。政府の判断は変わっていない。

宮本 質問権をいくら行使しても統一協会の役員が刑事罰を食らわない限り、解散命令請求はしないことになる。

宮本氏は、宗教法人法の解散命令請求の要件には、刑事罰に限るなどとはどこにも書かれていないと指摘しました(表)。解散請求における「禁止規範または命令規範に違反するもの」との文言をあげ、民法の不法行為は教科書にも「禁止・命令規範に違反すると評価される」と記述されていると強調。民法は要件に該当しないとする政府の姿勢を批判しました。

さらに、宮本氏はオウム真理教の地下鉄サリン事件以降、宗教法人設立にあたっての審査基準が厳しくなっており、統一協会のような詐欺的布教を行い、組織的不法行為の判決を受けている団体では新たな宗教法人として認証はされないと指摘。一度設立の認証を受ければ、その後不法行為が認定されても宗教法人格を失わないのは「法律の運用として明らかな矛盾だ」と迫りました。

 

介護保険大改悪中止を

 

宮本 2割負担対象拡大中止を

首相 どこまで負担お願いするか判断

国では3年に1度の介護保険見直しの議論が行われ、年内にも利用者負担増がまとめられようとしています。社会保障審議会介護保険部会は主な論点として、▽介護サービスの利用料2割、3割負担の対象拡大▽ケアプランの有料化―などを示しています(表)。

宮本氏はこれらをパネルで示しながら、「介護保険の大改悪だ」と批判。3年前の介護保険見直しの議論でも高齢者の生活への影響を理由に反対意見があり、利用料の原則2割負担が見送られた経緯を示し、政府の姿勢をただしました。

宮本 物価高騰の中で所得の少ない人ほど生活は厳しい。高齢者は6月から年金が切り下げられ、10月から75歳以上、370万人の窓口負担が2倍になった。介護保険の利用料2割負担の対象拡大の検討は、総理のイニシアチブで中止すべきではないか。

岸田文雄首相 能力のある方に負担してもらうことも重要との意見もあり、どこで線を引いて、どこまで負担をお願いするのか。こうした観点に基づいて、現状の中で判断する。

宮本氏は、年収280万円以上の人に利用料の2割負担が導入された2015年、介護施設運営者でつくる「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」の影響調査で、「配偶者の生活苦」「多床室へ移った」「利用料の滞納」「支払い困難を理由に退所」といった施設が続出したことを紹介しました。

宮本 高齢者の生活は年々厳しくなっている。介護保険の利用料を2倍化したら、尊厳ある生活ができなくなるのではないか。

首相 今、厳しい生活の中で苦労している皆さんに負担をお願いするというものではない。政治の責任として持続可能性を考えていくことが重要だ。

宮本氏は「介護という人生の中で最も支えが必要なときに、介護を取り上げることにつながる」と指摘し、「制度の持続可能性を言うのであれば、軍事費2倍ではなく、介護保険の国庫負担を増やして、国民の暮らしこそ支えるべきだ」と主張しました。

(しんぶん赤旗2022年10月19日付より)