神宮外苑再開発計画

伐採予定のイチョウ並木の一部

神宮外苑(東京都新宿区など)の再開発で樹木約1000本を伐採・移植する計画に都民から批判が上がっている問題で、建築家らでつくる新建築家技術者集団(新建)東京支部は3日、大量伐採を行わず外苑の歴史と文化を継承する再整備を小池百合子知事宛てに要請しました。

三井不動産などが計画した外苑再開発は、超高層ビル2棟の建設や、神宮球場、ラグビー場の連続移転建て替えで、有名なイチョウ並木の一部を伐採。神宮第2球場や軟式野球場、フットサル場など多くのスポーツ施設が失われる計画です。

都民らが計画見直しを求めネット署名約8万人分を都に提出するなど計画への批判が高まり、都環境影響評価審議会で異例の継続審議となっています。

都庁で行った記者会見で新建東京支部の若山徹さん(1級建築士)は「神宮外苑という風致地区で、こんな大規模な再開発をやってよいのか。イチョウ並木は(絵画館などとの)一体的景観として保全すべきだ」と語りました。

新建東京支部の見解は、外苑再開発計画が容積率の移転による超高層ビル建設を可能にしていることを「外苑地区で継承されてきた都市計画のルールを逸脱」していると告発。神宮球場やラグビー場の連続移転建て替えでイチョウ並木が伐採・移植され、「100年間培ってきた外苑の緑環境は破壊される」と批判しています。

再開発への対象として、絵画駅前広場の芝生広場やイチョウ並木を「東京を代表する緑の景観として保全する」と強調。神宮球場とラグビー場は現在地で改修することを求めています。

また、神宮外苑の再整備にあたって、都が開発推進の立場を改め情報公開を徹底し、都民参画で再検討するよう提案しています。

(「しんぶん赤旗」2022年8月6日付より)