路上生活者の胸の内 生活保護ためらう訳は/民青都委員会が夜回りアンケート

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劣悪施設を懸念/行政へ不信感も

路上生活する男性(手前)から話を聞く谷川氏(右から2人目)とボランティア=22日、東京都新宿区(写真提供:しんぶん赤旗)

断続的な小雨が降る夜の新宿駅―。午後6時、日本民主青年同盟東京都委員会が主催した生活困窮者支援の夜回りに、ボランティア十数人が集まりました。ボランティアは、食料やアンケートを手に駅周辺を回りました。

夜回りを行ったのは3月22日。活動は、2008年から毎月続けられてきました。

この活動を13年間続けている日本共産党の谷川智行衆院東京ブロック比例候補は、初参加のボランティアらに、生活困窮者の実態などを説明しながら駅周辺をくまなく回っていました。

(しんぶん赤旗より)

(しんぶん赤旗より)

「7~8年ここで(路上)生活している。これまで建築現場で働いてきたよ」という70代の男性に声をかけた一行。腰痛があるという男性に生活保護を勧めますが、「あと2、3年くらいしたら利用を考えなくもない。体が動かなくなったら」と断りました。

なぜ生活保護をためらうのか…

この間、民青都委員会は「生活保護を受けたくない理由―可視化プロジェクトー」(今年2~3月)を行い、路上生活者約50人からアンケートを集めました。3月30日には、都庁で会見を行いました。

アンケートでは、74%(37人)の人が生活保護を利用しないと回答。その内の54%(20人)が、体調に問題があると答えました。

会見した学生は、路上生活者が保護を利用したくないのは、劣悪な施設を紹介されることが多く、その施設の食費や経費で手元に保護費が残らないことや相部屋の施設であると指摘。保護利用への抵抗感や行政への不信感もあると説明しました。また、施設が不清潔でまともな食事が出ないなど、「ひどい扱いをされている」と述べました。

学生は、都の対策として▽医療スタッフやカウンセラーなどを配置した公的シェルター(個室)を用意▽国に保護費の増額を求める▽親族に連絡がいく扶養照会は、本人の承諾なしに行わない▽権利だと積極的に働きかける▽アパート入居などを支援する―ことが必要だと述べました。

会見したメンバーは先立って、都福祉保健局に申し入れました。

西之原修斗衆院東京11区候補が同席しました。

(しんぶん赤旗より)

(2021年3月31日付「しんぶん赤旗」より)