横田基地はいま(5) 核兵器や墜落の事故想定

核兵器や墜落の事故想定

横田基地では年に何度か、通常の訓練とは別に、かなり実戦的な軍事演習を定期的におこないます。ミサイル攻撃を受けた想定であったり、テロリストが立てこもった想定だったり、さまざまな想定をするようです。

それにあわせて、建物内での射撃訓練や、壊された滑走路の補修、燃えた建物の消火訓練、大量の負傷者が出たときの対応、非戦闘員のボランティア300人を集めての避難訓練などいろいろです。もちろん軍用機も使用した本格的な訓練です。

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最近の演習は、5月9日~13日の5日間行われました。青森の三沢基地からF16戦闘機が、確認できただけで15機もやってきました。戦闘機のジェットエンジンの音の中でも特に、高速・高高度を出すためのアフターバーナーをかけての急上昇離陸は、まるで雷のようにバリバリゴロゴロというもので、ごう音です。雷であれば自然現象ですから仕方ないとも思えますが、それが米軍の演習で、しかも朝の6時半頃から始まりますから、周辺住民はたまったものではありません。私もたくさんの市民の方から「朝からすごい爆音に起こされた!」という声を聞きました。

今回こんなに戦闘機が横田基地にやってきたのは「迅速機敏戦闘展開(ACE)」という、戦力を他の基地から必要な基地(今回は横田)に急いで運び、運用するための演習のためだということでした。今回の演習では「重大事故即応演習(MARE)」も行う予定である、と事前に情報提供がされていました。

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私はどんなことが重大事故なのかと思い、インターネットに公開されている米空軍のマニュアルから、その定義を調べてみました。すると「核兵器事故」や「航空機墜落事故」など、およそ人の命に直結するような重大な事故が複数記載されていました。そこまでの事態を想定して演習をしなければならないというのは、それだけ危険度の高い基地であることを、ある意味証明しているのではないでしょうか。

また、米軍が重大事故を想定して訓練しているのですから、もし本当にそのような事故が起これば、基地の外への影響は避けられないのに、市民にその危険性は知らされていません。飛行機の爆音が怖いという以上に、なぜそんなことをするのかと考えると、もっと怖くなります。

「軍事対軍事」ではなく、憲法9条をいかした外交による平和構築が必要です。国連で核兵器禁止条約が発効されたように、基地問題はいずれ解決できる問題だと信じています。不平等な地位協定をなくし、米軍基地をなくし、本当の意味で対等な日米関係になれるよう今後も不屈に活動を続けていきます。

(おわり)

(いちげ・まさひろ 日本共産党福生市議)