日本共産党躍進で平和・暮らし救おう/志位委員長が第一声

第一声で訴える志位和夫委員長=22日、東京・新宿駅西口

戦争か平和か、物価高騰から暮らしをどう守るか、日本の命運がかかった参院選が22日、公示されました。日本共産党の志位和夫委員長が東京・新宿駅前、大阪駅前で、第一声を行いました。東京・新宿駅前では田村智子比例候補、山添拓東京選挙区候補も訴え、志位氏が「日本共産党の躍進こそ、平和と暮らし救う最も確かな力となります」と力を込めると、盛大な拍手と声援に包まれました。小池晃書記局長が京都市、神戸市の繁華街、沖縄県庁前で、比例候補や選挙区候補が各地で第一声をあげました。岸田文雄首相は、福島での第一声で、安保戦略の見直しに触れるのみで軍事費のGDP(国内総生産)比2%増には触れず、異常円安による物価高騰の責任について「有事の高騰」だとウクライナ危機の問題に転嫁しました。

志位氏は「戦争か、平和か―日本の命運がかかった選挙です」として、ロシアの蛮行に乗じて軍拡の大合唱が起きていると指摘。「軍拡で平和が守れるでしょうか。日本が軍拡で構えれば、相手も軍拡を加速します。『軍事対軍事』の悪循環に陥ってしまいます。この道が一番危険ではないでしょうか」と訴えました。

自民党が公約で軍事費をGDP比「2%以上」にするといいながら、その財源は一言も書いていないと批判。党首討論で岸田首相が財源について答えていないことに触れ、「国民に『白紙委任状』をくれという話ではないですか。消費税増税や社会保障削減の『白紙委任状』を自民党に渡すわけにはいかない」と強調しました。「危機に乗じて、憲法9条を改定し、日本を『軍事対軍事』の危険な道に引き込み、暮らしを押しつぶす――こんな道は日本共産党への1票で止めようではありませんか」と訴えました。

志位氏は、日本が進むべき道は、憲法9条を生かして二つの平和のイニシアチブを発揮することだと語りました。

第一は、東アジアに平和をつくる外交戦略を推進することです。志位氏は「平和とは対話だと思います。これが途切れたところで戦争が起こるのではないでしょうか」と指摘。ASEAN=東南アジア諸国連合が東アジア規模の友好協力条約を展望する大構想を提唱していることに触れ、「いま日本が進むべきは、ASEANの国々と協力して、東アジアを戦争の心配のない平和な地域にするための9条を生かした平和外交です」と強調しました。『サンデー毎日』(7月3日号)で、日本の政党のなかで「唯一注目すべき『外交ビジョン』を掲げている」との特集を掲載したことを紹介しました。

第二は、日本が核兵器禁止条約に参加することです。志位氏は、ウィーンで核兵器禁止条約の締約国会議が開かれ、アメリカの同盟国からも参加国が出る一方で、日本の不在が大きな批判の的になっていると指摘。その根底には「核抑止」という考え方があるとして、「日本政府に『核抑止』の呪縛を断ち切って、核兵器禁止条約に参加する決断を強く求めます」と訴えました。

そして、志位氏が「世界に誇る9条を将来にわたって守り生かそう――この平和の願いは、党をつくって100年、反戦平和を貫いてきた日本共産党への1票に託してください」と呼びかけると、大きな拍手と歓声が湧き起こりました。

志位和夫委員長の第一声を聞く人たち=22日、東京・新宿駅西口

「物価高騰から国民の暮らしをどう守るかも大争点です」と語った志位氏は、アベノミクスの「異次元の金融緩和」が異常円安をつくり物価高騰を招いていると告発。「今求められているのは、金融頼みの政策をやめて、実体経済を良くすることを最優先に据えた経済政策への転換です」と訴えました。

志位氏は、物価高騰のもとでの国民の生活苦の大本には、弱肉強食の新自由主義によって日本経済が「冷たく弱い経済」になってしまったことがあるとして、「新自由主義は終わりにして、『やさしく強い経済』へのチェンジをはかろう」と呼びかけ。日本共産党の五つの提案―(1)消費税を5%に減税し、インボイスを中止する(2)政治の責任で「賃金の上がる国」にする(3)社会保障と教育予算を経済力にふさわしく充実する(4)気候危機打開の本気のとりくみ(5)ジェンダー平等の視点を貫く―を、この間の一連の党首討論でのやりとりも紹介しながら、丁寧に語りました。

志位氏は、岸田首相が物価高騰に苦しむ国民の痛みを理解しない発言を繰り返すことへの怒りを込めた告発をしながら、日本共産党の経済提案の値打ちを縦横に語りました。さらに、「どれも当たり前の提案です。ただ、本気でやろうとしたら、財界や大企業の抵抗にぶつかります。財界献金をもらっている党にはできません。財界献金を一切受け取ってこなかった日本共産党を伸ばすことが、暮らしをよくする一番の力になります」と訴えました。

最後に志位氏は、日本共産党は戦前・戦後、一つの名前で通してきた日本で唯一の政党だと強調。戦前、日本共産党以外のすべての党が解散して「大政翼賛会」に合流し、侵略戦争を進め、戦後、同じ名前で出てこられなくなったと指摘しました。その上で、「いま戦前を思わせる、平和を壊す『翼賛政治』の危険を感じます。日本共産党はこの逆流に正面から立ち向かうことを固くお約束したい」と語り、「比例代表での日本共産党の躍進、東京選挙区での山添拓さんの勝利を勝ち取らせてください」と力を込めると、「がんばれ」の声援と大きな拍手に包まれました。

(「しんぶん赤旗」2022年6月23日付より)