臨時都議会 知事 補正予算承認求めず 共産党 審議求め動議

 先の都議選で当選した都議による都議会の新しい任期(21期)が7月23日スタートし、臨時議会が開かれました。日本共産党の原田あきら都議は、小池百合子知事が6、7月に議会に諮らずに専決処分した2件の補正予算の審議をするため、会期を4日間とする動議を提出。共産党(19)、立憲民主党(15)と一人会派の生活者ネット、グリーンな東京、自由を守る会の計37人が賛成しましたが、自民(32)、公明(23)、都民ファーストの会(31)と一人会派の東京維新の会、東京みらいが反対し、否決され、わずか1時間余りで閉会しました。
 小池知事は6月18日にまん延防止等重点措置にかかわる予算2467億円、7月8日に緊急事態宣言にかかわる予算5118億円を、議会の審議を経ない専決処分を行いました。地方自治法では、専決処分について、知事は「次の議会においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない」としています。

 共産党の和泉なおみ幹事長は談話で小池知事が今回の臨時議会で承認を求めなかったのは「明白な地方自治法違反」と指摘。さらに「それを容認した自民党、公明党、都民ファーストの会の責任は重大」だとして、厳しく抗議しました。
 共産党都議団は議会閉会後、「すみやかに第2回臨時議会を招集し、これまで小池知事が行ってきた専決処分を議会に報告し、審議のための十分な日程を確保したうえで承認を受けること」「今後のコロナ対策については、補正予算の専決処分を行わず、議会の議決を経ること」を、強く申し入れました。

木下氏に辞職勧告
 臨時会では、都議選中の7月2日に無免許運転で事故を起こした木下富美子都議(都ファを除名)に対する辞職勧告決議を全会一致で可決。「社会的、道義的責任を真摯(しんし)に受け止め、公人として自らの責任を痛感し、直ちに都議会議員を辞職するよう強く求める」としています。決議に法的拘束力はありませんが、木下都議の良識が問われます。

正副議長を選出
 臨時会では議長に自民党の三宅茂樹都議(世田谷区)、副議長に都民ファーストの会の本橋弘隆都議(豊島区)を選任しました。日本共産党は議長は第1会派、副議長は第2会派から選出するのが基本との考えから、いずれも賛成。「各会派の意見を良く聞いて公平・公正・民主的な議会運営を」と要望しました。