医療は限界 五輪やめて/病院の窓の張り紙 話題に

立川相互病院 窓に張り紙/コロナ病床抱え、悲痛訴え

「医療は限界 五輪やめて! もうカンベン オリンピックむり!」と訴える張り紙=東京都立川市(写真提供:しんぶん赤旗)

「医療は限界 五輪やめて!」。道行く人も思わず見入ってしまう医療現場からの声―。

東京都立川市の立川相互病院(民医連加盟)の窓の張り紙がインターネットなどで話題になっています。

立川相互病院は昨年4月から新型コロナウイルス患者の受け入れを始めました。五つある一般病棟の一つをコロナ専用病棟にしました。集中治療棟(ICU)と準集中治療棟(HCU)のうち、計3床をコロナ重症者用にしています。

取材した7日は、第4波に対応するため、新たにHCUの全16床をコロナ重症・中等症ベッドに転用する作業に病院スタッフが追われていました。

この日も張り紙を見つけた通行人が写真を撮って行く姿がたびたび見かけられました。

張り紙は4月30日から掲示しています。

高橋雅哉院長は「病院が窮状にある中、オリンピックの開催でコロナ感染拡大が懸念される。さらに五輪への看護師や医師の派遣要請などを報道で知り、病院としてメッセージを表明する必要を感じた。国公立病院などで意見表明は困難であろうと考え、自由な立場の一民間病院である当院が踏み切った」といいます。

立川相互病院は、昨年からの新型コロナ流行の中で、中途で入職する看護師が減り、ギリギリの人員配置を強いられているといいます。また、コロナ診療のために一般診療が圧迫され、救急車の受け入れ率が激減。院内感染を予防するため、1年前から職員への行動制限を徹底しています。「疲労のために退職が出れば、将棋倒し的に医療崩壊につながりかねない」(高橋院長)状況です。

増子基志事務長は「五輪の選手や関係者の努力を考えると心苦しいが、今の感染拡大の状況ではオリンピックには反対だ」といいます。病院では7日、高橋院長名で職員に「(張り紙に対する)反応のうち賛成意見がほとんどです。反対意見に対しても誠実に対応していきます。よりよい病院にするため、みなさんの自由なご意見をお待ちしています」と、説明文を配布しています。(矢野昌弘)

(「しんぶん赤旗」2021年5月8日付より)