日本共産党の宮本徹議員は21日の衆院厚生労働委員会で、高齢者医療費2倍化の対象とされている「年収200万円以上」(単身)の世帯について、“負担能力あり”とする政府の論拠を批判し、命と健康への影響を精査するよう求めました。
政府は、家計調査をもとに「年収200万円」の世帯の収支差をみると年12万円の黒字だとして、負担増に耐えられるとしています。宮本氏は、同調査のサンプル数は123世帯にすぎないとして「この調査をもって負担能力があると結論づけるのは極めて乱暴だ」と批判しました。
また、「年12万円の黒字」を前提に考えたとしても、税と社会保険料の負担は増加の一途で、生活の余裕はなくなると強調。厚労省は、現在と比べ2040年度には、後期高齢者医療保険料は年約2万円上がり、介護保険料は同3.5万~4万数千円上がる見通しだと答弁しました。
宮本氏は、保険料だけでも政府が“余裕”と見なす12万円の半分が消え、さらに年金や貯蓄は目減りし、医療費の窓口負担も増えるため、「暮らしはたちまち赤字になる」と指摘。医療費負担が増えると受診抑制が起き、健康に悪影響が出るとの国内外の調査を示し、「審議をいったん止めて、疾病ごとに負担増の影響を調査すべきだ」と主張しました。
(2021年4月22日付「しんぶん赤旗」より)