体験者・若者…参加者幅広く

10日で東京大空襲から76年がたちます。東京大空襲訴訟元原告団と支援者の会などでつくる実行委員会は、初めて東京大空襲の犠牲者名を読み上げる形で追悼集会を開きました。参加者からは「名前の読み上げで犠牲者一人ひとりの存在がわかった」との感想が出ました。


集会は8日、都内の東京大空襲・戦災資料センターで開かれました。第1部では410人分の東京空襲犠牲者名簿を体験者、遺族、戦後生まれの11人が約1時間かけて読み上げ。第2部では詩の朗読、参加した15人がオンライン参加者を交えて交流しました。名簿読み上げは、オンラインなどネットに詳しい若者と、長年支援に取り組んできた人たちのセットで実現しました。

同事務局によると、東京大空襲の死者は約10万人。東京都は8万人以上の犠牲者名簿を持っていますが、非公開にしています。同事務局の福島宏希さん(38)は「東京大空襲は人数で被害があらわされることが多いが、名簿読み上げで一人ひとりの存在を確認することが大切」と強調。今後名簿を増やし、いつか全員を読み上げたいと集会で語りました。

名簿を読み上げた吉田由美子さん(79)は、東京大空襲で両親と生後3か月の妹を亡くしました。戦後は預けられた親戚の家で虐待を受けるなど肩身のせまい暮らしでした。「家族に思いをめぐらし、涙が出そうになった。思い出してもらえることは死者にとってうれしいこと」と語ります。

2日前に企画を知り、読み上げに参加した上智大学学生の女性は「戦後の記憶を伝えることに興味があった。自分の身近から変えていく活動を、これからやっていきたい」と集会で発言。オンラインの参加者からは「同じ名字が続くと、『家族かな』と切ない気持ちになった」などの感想が出されました。

(「しんぶん赤旗」2021年3月10日付より)