首相政策なら特別か/NTT接待 山添議員が追及

質問する山添拓議員=8日、参院予算委(写真提供:しんぶん赤旗)

参院予算委

日本共産党の山添拓議員は8日の参院予算委員会で、総務省幹部がNTT社長らから高額接待を受けていた問題を取り上げ、菅義偉政権が携帯電話料金の値下げを進める最中に、推進役の官僚が利害関係者にあたる同社幹部と会食した不当な癒着を追及しました。

山添氏は、菅首相が携帯料金値下げを発言した2018年8月から、NTTがドコモの完全子会社化を発表した昨年9月までの間に、谷脇康彦総務審議官(当時、8日付で官房付に異動)がNTT幹部から3回の接待を受けていると指摘。谷脇氏にドコモの子会社化や携帯料金値下げについて接待の中で話題になったのかとただしました。

谷脇氏は、ドコモの話題が出なかったとする一方、「値下げは話題に出たと思う」と答弁しました。

ドコモの完全子会社化について山添氏は、KDDIやソフトバンク、楽天など37事業者が公正な競争環境を損なうと懸念を示していると強調。谷脇氏がNTT以外とは会食したことはないと述べたことについて「NTTだけが特別扱いだ」と批判しました。

また、山添氏は政府が3分の1以上出資するNTTについて、通信事業政策を変える前の段階で必要な検証を行ったのかと質問。谷脇氏は「事後に検討会を立ち上げた」と述べ、事前に検証していないことを認めました。

山添氏は「総理が掲げる政策を実現するためなら高額接待を含め癒着も談合もいとわず、求められる議論のプロセスも省略してかまわないというのか」と追及。菅首相は「携帯料金引き下げを実現した」としか答えず、開き直りました。

山添氏は「従来の政策を大きく転換するときに、十分な検証や議論がなく、あるのは夜の会食による意見交換のみ。行政の在り方としてゆがんでいる」と批判しました。

(「しんぶん赤旗」2021年3月9日付より)