東京都世田谷区(保坂展人区長)が、区内の介護事業所の職員を対象に実施しているPCR検査(社会的検査)で18日までに区内の特養ホームの職員と入所者15人の陽性が判明しました。いずれも無症状。入所者は医療機関に入院し、職員は入院かホテルおよび自宅で療養しています。症状のない人への社会的検査で多数の陽性者が見つかったことは、新型コロナ感染症「第3波」のもと、感染リスクの高い医療機関や介護施設等への定期的な検査を速やかに実施、感染拡大と重症化を防ぐことの大切さを改めて示しています。


全額国庫負担の枠組み急務

世田谷区は社会的インフラを維持するためのPCR検査として、介護事業所や障害者移設、児童養護施設、保育園・幼稚園、小・中学校の職員や教員を対象とした「社会的検査」の実施を決め、10月から希望する介護職員を対象に検査をはじめています。

区は10月中旬までの検査で陽性率は0.74%と公表していました。ところが今月13、14日の同施設の検査で職員10人の陽性が判明、これにともない施設入所者・利用者にも検査を拡大したところ、職員125人のうち13人、利用者97人のうち2人の陽性が判明しました。同区は「利用者にも陽性が出たが無症状で、重症化を避ける社会的検査の意義があった」(保険医療福祉推進課)としています。

一方で同区の社会的検査における陽性者の増加は「第3波」の感染拡大と軌を一にしており予断をゆるしません。田村憲久厚労相は17日の記者会見で、感染拡大地域の医療機関や介護施設の職員や入院・入所者全員を対象に一斉・定期的な検査を行うよう都道府県に通知したと公表しました。

社会的検査の実施は急務です。ところが自治体がこうした検査を実施するうえでの足かせとなっているのが費用負担です。これらを全額公費でまかなう行政検査として行う場合、費用の半分は国費ですが、もう半分が自治体負担となるからです。全国知事会は全額国庫による検査の仕組みを要望しています。菅政権はただちに全額国庫負担の枠組みを構築すべきです。

日本共産党の志位和夫委員長は12日、「検査・保護・追跡」の抜本的強化を求める提言を発表、現場任せでなく政府が自ら先頭に立ってこうした「社会的検査」などを推進するよう求めています。(内藤真己子)

(2020年11月19日付「しんぶん赤旗」より)