陥没付近地中に空洞/調布:外環道工事現場の真上

地中に空洞が発見された外環道工事現場の直上で作業するネクスコ東日本の職員ら=4日、東京都調布市(写真提供:しんぶん赤旗)
東京外環道トンネル工事の地表で新たに確認された空洞(NEXCO東日本オフィシャルサイトの資料から)

東日本高速道路(ネクスコ東日本)は4日、東京都調布市の東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事現場付近で10月に起きた道路陥没現場周辺で、地中に空洞を確認したと発表しました。同社は、工事との因果関係を「調査中」としています。

空洞は地表深さ約5メートルの地点にあり、幅約4メートル、長さ約30メートル、厚さ約3メートル。道路陥没現場の北側に位置し、同社が陥没原因を調べるために行ったボーリング調査で見つかりました。

道路陥没は10月18日、調布市東つつじケ丘の住宅街で発生。道路に長さ5メートル、幅3メートル、深さ5メートルの穴が民家のガレージに食い込むように開きました。

現場付近では地下47メートルで直径16メートルの掘削機(シールドマシン)がトンネル工事をしています。工事ルート上の地上では騒音、振動、壁の落下などの被害が訴えられてきました。

家が空洞現場から徒歩1分と離れていないという男性(75)は「ネクスコは、工事のルート上の地盤をちゃんと調べたのか。人口密集地の下を掘るのは無理がある」と不安げに話します。

空洞が見つかった空き地は、共同事業主のネクスコ中日本の所有地です。東京外環道訴訟を支える会の籠谷清事務局長は「やっぱりという気持ちだ。中日本はなぜこれまで自分たちの敷地でボーリング調査をしていなかったのか。陥没があって初めて調査して空洞が見つかった。こんな事業者に住宅の下を掘るような工事をさせられない」と憤ります。

同社は直ちに地表面に変状を及ぼすものではなく、緊急的な対応は必要ないが、速やかに埋めるとしています。

(2020年11月5日付「しんぶん赤旗」より)