命を守る医療体制・休業補償を/共産党島しょ議員団が都に要望書

4月14日、東京の日本共産党島しょ議員団が新型コロナウイルス 対策に係る要望書を東京都に提出しました。

以下、原のり子都議のブログより紹介します。

都の担当者に要望書を手渡す(右から)原のり子、あぜ上三和子都議(原のり子都議会議員ブログより)

共産党 島しょ議員団が都に要望書
あぜがみ都議と私が都に提出

 4月14日、日本共産党島しょ議員団のみなさんの「新型コロナウイルス対策に係る要望書」を知事あてに提出しました。経済・港湾委員のあぜ上三和子副幹事長と総務委員の私で手渡し、要望しました。応対してくださった、防災対策担当部長は、それぞれ関係部署にも伝えていくと答えました。

毎日が本当に心配
島外への搬送 島内での施設確保

 13日現在、感染している人がいるという情報はありませんが、もともと医療体制が脆弱な島に住む方々にとって、毎日が本当に心配です。感染が疑われて島外へヘリコプターで搬送する場合のリスク対策、島内での隔離施設の確保など様々な課題への早急な対応が求められています。

観光自粛が要請され
関係者は死活的苦難に

 また、島への観光を自粛することが要請されているなかで、「関係業者は死活的苦難を余儀なくされる」事態になっています。
 改めて、「命を守る施策」が本当に重要だとこの要望書を読んで実感します。命を守る医療体制の充実、命を守るための休業補償。島のみなさんの声が補正予算にも反映されることを求めていきたいと思います。

新型コロナウイルス対策に係る要望書
2020年4月14日
日本共産党 島しょ議員団

 安倍首相は4月7日夜、東京都をはじめとする7都府県を対象に5月6日までを期限として、新型コロナウイルス対策「緊急事態宣言」発令しました。
 前後して、島しょ各自治体では、感染予防、感染拡大防止を最大の課題として島民に対しては、「疾病診療等以外の不要不急の場合においては、出島を極力自粛する」よう呼びかけると同時に、島外からの旅行者に対しては、「島への観光等を自粛する」よう強いメッセージを発しています。
 13日現在、島しょ部には感染情報はありませんが、「感染者がいつ出てもおかしくない」との危機感があり、島しょへの旅行者には自粛を求めて、船舶、飛行機、ヘリコプターなどでの「水際作戦を徹底」しようとしています。
 島しょ自治体が、旅行者等の来島自粛を求めることは、宿泊業者、飲食業者などには、実質的に休業を求めることになります。この事態は同時に、島しょ自治体全体の経済にとって、多大な損失を伴うことになります。
 又、感染症に対する備えを持たず、脆弱な医療体制のもとにある島しょ自治体の現状では、東京都、国からの特段の力強い支援が求められています。
 以上のことから、下記の通り要望します。

《全島しょ共通の要望事項について》

【1】島しょ各自治体が、島外からの旅行者に対して、「島への観光等を自粛する」よう、力強いメッセージを発していることは、関係業者には、死活的苦難を余儀なくされる事態を招いています。そのため、以下のことを要望します。
(1)感染拡大を防ぎ、「命を守る」施策として、自粛による営業の閉鎖が行われています。自粛と保障を一体的に取り組まれるよう休業補償を求めます。
(2)緊急事態宣言の発令で影響を受けている、島民や島外の関連産業の企業、団体、個人等に、臨時雇用されている人を含め、島しょで暮らしている全ての人たちに、当面の生活保障として都・国の支援金を給付されるよう要望します。
(3)「しまぽ通貨」の拡充を含む、これまで以上の特別支援を求めます。

【2】農漁業生産物の販売が減少していきます。都の救済支援を求めます。

【3】都の島しょに対するマニュアルでは、「感染が疑わしい場合は」⇒「地元医療機関(又は、島しょ保健所)に電話相談」⇒「地元医療機関で受診(又は、島しょ保健所の指示に従う)」⇒「検査、入院の判断」⇒「都と調整」⇒「ヘリ搬送の要請」⇒「入院、検査」の手順になっています。
 急性期重症発症が疑われる場合は、都内の病院に搬送後にPCR検査を受けるか判断されることになっています。これに係って、以下の要望をします。
(1)島しょ部から感染が予測されて、患者が減り搬送された場合、確実に検査入院ができる体制の確立を求めます。
(2)上記の手順では、搬送される患者の周辺での感染拡大が考えられます。地元医療機関の診断による、無症状感染、軽症感染が疑われる人に対する隔離施設の確保が必要です。そのための、人的、施設的、経費的援助を求めます。
(3)感染の疑いがあっても島では検査できないため、「様子を見てください」という対応がされていて、同居家族も含め身動きがとれなくなっているケースが出ています。島しょにおいても検査ができるよう、体制の整備を求めます。
(4)島で診察している医師、看護師が感染した場合は、代替の医師、看護師を速やかに派遣するよう求めます。

《各島しょ別の要望事項》

【大島町】
(1)3月の「一斉休校」以降、宿泊キャンセルが続き、最近では、この夏の予約分までキャンセルが始まっている状況にあります。夏のキャンセルは、主に合宿のキャンセルで団体予約であり、痛手は大きなものになっています。観光再建は、当面の生活保障と事態終息後の支援を分けて要望します。
(2)農漁業についても、昨年の台風被害から立ち直れていないところへ、今回の影響が出ています。無利子、無担保、無保証人の都の緊急特別融資を求めます。

【利島村】
(1)この十数年、利島村ではシドケ(山菜)を東北地方に出荷してきていて、無農薬の自然栽培をしている生産農業者の大事な収入源となっています。
 新型コロナ問題で市場からの注文が激減して、生産者の痛手となっています。都の救済支援を求めます。
(2)島内に人が入った際に体温をチェックする、検温測定器の支給を求めます。

【御蔵島村】
(1)3月15日からのイルカウォッチングの開始に伴い、関係業者は準備していましたが、緊急事態宣言の発令で営業を自粛しています。
  これにより、ガイド業者、宿泊業者、食堂、土産物店などは、収入が激減しています。都の救済支援を求めます。

【三宅島村】
(1)島内に人が入った際に体温をチェックする、検温測定器の支給を求めます。

【八丈町】
(1)団体ツアーが全くなくなっているし、個人の客も激減しています。早期に休業補償を求めます。

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