緊急事態宣言/説明と十分な補償を

新型コロナ 東京都に緊急事態宣言

 安倍晋三首相は7日、新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け、新型インフルエンザ等対策特措法に基づく緊急事態宣言を発令しました。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、期間は大型連休が明ける5月6日まで1カ月程度としました。日本共産党都委員会の対策本部は、同宣言を出すにあたって「国民の納得できる説明と、措置に伴って生じる損失への十分な補償を一体で行うべきだ」と主張しています。
 対象地域の知事は特措法に基づき▽住民に不要不急の外出自粛要請▽音楽、スポーツイベントなどの開催制限、指示▽学校や福祉施設、映画館などの使用停止要請、指示▽運送事業者に緊急物資の輸送要請、指示─などの措置ができます。これらには罰則規定はありませんが、▽衣料品やマスク、食品の売り渡し要請、収用、保管命令▽臨時医療施設の土地や建物の強制使用の措置─には罰則規定があり、私権の制限が伴います。

都の対応

 東京都の小池百合子知事は、同宣言が出されるのを前に6日夜、記者会見を開き、「都民の命を守ることが最大の目的」と協力を呼びかけ、都が想定する措置について明らかにしました(左上表参照)。
 鉄道や地下鉄、バスなどの公共交通機関、医療施設、金融機関は原則、通常通りとし、「都市封鎖ではない」と強調。都民の出勤、通院、食料品や生活必需品の買い出しは制限しないとしました。ただ、仕事については「可能な限り在宅勤務を」と要請しました。

「出勤停止で収入ない」
東京地評ら ホットラインに相談次々

 「3月20日に休業通告を受け収入がない。家賃の支払いが心配。利用できる給付制度はないですか」(コールセンターに勤める女性)。東京地方労働組合評議会など都内の労組、医療、福祉団体などが6日行った無料ホットラインには、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による生活困窮や、健康不安、解雇、減収など、切実な相談が多数寄せられ、医療や福祉の専門家、弁護士らが親身に応じました。
 相談は電話のほか、ライン(無料通信アプリ)からも寄せられました。飲食業の男性からは「売上が減って従業員の給与や仕入れ資金、家賃などの支払いが困難になっている。消費税16万円の滞納や多重債務もあるが、新たな借り入れができるか心配」、子どもが3人いるという50代男性は「ライブ活動の休止で収入がない。給付金を受けたいが収入が減ったことの証明はどうすればいいか」との相談を寄せました。
 また、アルバイトの塾講師からは「出勤停止で収入がなく困っている」、チアダンスインストラクターの女性からも「レッスンが減っている。休業補償はもらえますか」など、新型コロナウイルスの影響で仕事が減った非正規、アルバイトからの相談が相次ぎました。
 外資系の航空会社に正規で勤める女性からも「フライトの中止が相次ぎ、自宅待機と言われている。給与が補償されるか心配」との相談も寄せられています。
 他にも、IT関連の職場で働く30代の女性は「上司にテレワークを希望しても受け入れてもらえない。どうすればいいか」、薬局に勤める人からは「軽い咳や微熱が続いているが、コロナに感染した可能性はあるのか、病院を受診した方がいいのか」といった、働き方に関するものや健康についての相談もありました。
 相談に対応したのは、東京地評のほか、東京社会保障推進協議会、東京民主医療機関連合会、自由法曹団東京支部。(2面に関連記事)

広がる感染 重大局面

 緊急事態宣言の対象地域の一つに指定された東京都は、新型コロナウイルスの感染拡大が重大局面を迎えています。都によると感染が確認された人は、4日118人、5日140人、6日83人で、この3日間で341人にのぼり、これまでの合計1116人(6日現在)の30%を占めています(グラフ参照)。都内判明分の死者は30人も出ています。
 都によると4月5日時点で対応可能な病床数は1000床で、退院や死亡のために空いた病床はあるものの、感染者用病床数はぎりぎりの状況が続いています。都は感染者用病床を今後4000床確保する方針。7日からは、重症者のための病床確保のため、借り上げたホテルに無症状者、軽症者の移動を開始しました。都は1000室の確保を目指しています。

都補正予算 232億円

 都は7日、新型コロナ対策を強化するための一般会計補正予算232億円を、議会の議決を経ないで決める専決処分しました。重症患者のための病床4000床の確保、軽症者1000人を受け入れるホテルなどの宿泊施設借り上げ、民間検査機関等を活用した検査体制の充実、休校延長に伴う学童クラブへの支援、失業者への住宅提供などの費用に充当します。