参院選 21日投票 日本の希望かかる大激戦

2019年7月11日

比例一票争う、選挙区は横一線
 参院選は、暮らしに希望を与える政治の実現や、安倍改憲を許さないことなどを大争点に、21日の投票へ、選挙戦が繰り広げられています。共産党が東京で110万票以上を目指す比例選挙は、一票を争う大激戦。20人が立候補した東京選挙区は、各党の有力候補が横一線で争っています。

 参院選は、金融庁の年金だけで生活するには2000万円足りないという報告書を受け、年金の問題が、大争点になっています。

 安倍首相は参院選最初の日曜日となった7日、中野駅で同党女性候補の応援演説に立ち、「年金が大きな争点だ。野党が年金の不安をあおっている」と野党を攻撃。「経済を強くすれば、年金も増えていく」と強調したものの、生活を支えるだけの年金額が支給されておらず、さらにマクロ経済スライドで政府が削減を続けようとしているという、根本の問題には、何も触れませんでした。

 共産党は、年金保険料の上限を年収1000万円から2000万円に引き上げるという具体的な財源も示して、「減らない年金」を実現する道筋を提案しています。

 年金、最低賃金、学費など、「暮らしに希望を」を掲げる共産党の政策に共感が広がっています。新宿駅東南口では同日、若者と共産党を応援するJCPサポーターの街頭宣伝が行われました。

 道行く人がパネルに書いた、年金、奨学金、ジェンダー平等など、一つ一つの願いに対して、志位和夫共産党委員長が同党の政策や提案を説明。「バックバナー(横断幕)に描かれたガーベラの花言葉は『希望』、赤いガーベラの花言葉は『情熱』です。情熱をもって、日本をよくする希望を語りぬいて躍進を目指します」と訴えました。

 東京選挙区の吉良よし子候補は、「一人ひとりの命と人生に寄り添い支えるのが政治の仕事。みなさんの不安を、希望に変える選挙に」と呼びかけました。

首相の演説にやじ
 中野駅北口の演説で、安倍氏が壇上にのぼると、「安倍はやめろ」のやじが、聴衆から一斉に起きました。やじの声で、安倍首相の演説が聞き取れないほどです。

 自民党本部は、安倍氏の街頭演説の場に、政権に反対する聴衆が押し寄せるのを恐れ、総裁の街頭演説日程を、一部にしか知らせない異例の対応をとっています。この日は、女性候補が、自身のホームページで首相が応援に来る日程を明らかにしたため、安倍政権に怒る人たちが、中野駅前に集まりました。

 安倍首相は、「厳しい選挙です。ぜひご支援を」と女性候補への支援を呼びかけ。終了後、司会者が雰囲気を盛り上げようと、「安倍総理、安倍総理」と掛け声を聴衆に呼びかけましたが、応じる人はほとんどいませんでした。

野党共闘を攻撃
 自民党、公明党は、各地の街頭演説で、「政治の安定こそ最大のテーマ」と訴えています。

 中野駅での演説では、何人もの弁士が、「自衛隊などで考えの違う共産党と立憲民主党が組んだ、野党の野合に、負けるわけにいかない」と訴え。市民と野党の共闘の勝利、なかでも共産党の躍進に脅威を覚えていることを感じさせました。

 安倍首相は、「共産党が自衛隊を憲法違反だと言っている。この論争に終止符を打つために、憲法に自衛隊を明記する」と語りました。

 共産党の志位委員長は7日の、各党党首によるテレビ討論で、安倍氏が著書で自衛隊が米軍のために「血を流し」て戦うことができないと問題視していることを指摘。トランプ大統領が日米安保条約を「不公平な条約」と語っているもと、米軍のために血を流す自衛隊にすることこそ、9条改憲の真のねらいだと厳しく批判しました。

小池晃比例候補 一票で政治変える方が簡単

 小池晃比例候補、吉良よし子東京選挙区候補の訴えが、共感を広げています。第一声(4日、新宿駅西口)の訴えを紹介します(大要)。

 年金だけでは暮らしていけないから2000万円貯金しなさいという、金融庁の報告書が怒りを広げています。安倍首相は、年金をこれから7兆円も削減すると言っています。いまでも足りない年金を、これ以上減らすことなど許されるはずはありません。
 共産党はマクロ経済スライドをやめて、減らない年金にします。基礎年金に緊急の底上げを行います。これが安心できる年金への第一歩です。安倍さんは「年金のための打ち出の小槌はない」と言ってますが、最新鋭戦闘機を買ったり、大企業に減税するときには、打ち出の小槌を振っているではありませんか。
 私が参議院の決算委員会で、富裕層や大企業にきちんと負担を求めて、年金を立て直せと言ったら、安倍さんは「ばかげた政策だ」と切って捨てました。その台詞をそっくりそのまま、安倍さんにお返ししたい。こんなに景気が悪いときに、消費税を増税することこそが、最もばかげた政策ではないでしょうか。
 このやりとりがツイッター(短文投稿サイト)の動画で紹介されて、ついに再生回数は500万回(9日現在670万回)を超えました。自民党や公明党にこの国を任せていたら、年金も暮らしも経済も景気もめちゃくちゃになってしまいます。
 みなさん、2000万円を貯金するより、あなたの一票で政治を変える方が、簡単です。あなたの一票には、そういう力があるんです。
 安倍政権のもとで、国民の暮らしも日本の民主主義も危うくなっています。今度の選挙、新しい政治をつくっていきましょう。希望は市民と野党の共闘にあります。32の全ての一人区で野党統一候補を勝たせようではありませんか。比例代表選挙、東京選挙区のような定数が複数の選挙区では共産党を躍進させてください。共産党を伸ばせば政治は必ず変わります。
 比例代表の7名の候補だれもが、国会、地域でみなさんの願いを実現してきたベストメンバーです。一人残らず国会に送っていただくために、ここ東京で110万人以上の方に、比例代表で共産党を広げてください。私に引き続き永田町の国会病院で安倍政治の病を治すために、仕事をさせてください。勝利のために力をかしてください。

吉良よし子参院東京選挙区候補 もっと届けたい声がある
 私は就職氷河期世代です。60社にエントリーして内定が取れたのは1社だけ、会社員時代にはリーマンショックが起きて、同世代の若者が派遣切りで首切りにあう姿を目の当たりにしてきました。6年前、「若い世代が希望を持って働けない社会を変えたい」「ブラックな働かせ方をなくしたい」と訴えて、国会に送り出していただきました。
 以来、私は過労死を生み出すような働かせ方をなくすべきだと、何度も国会で訴え続けてきました。2015年、初めて首相と対決した時に求めた違法を繰り返すブラック企業の社名公表制度は今、実現しています。この制度で社名を公表されるのを恐れた三菱電機は、過労死の原因となる裁量労働制、ブラックな働かせ方をなくしました。
 みなさんと実現した新しい制度が、ブラックな働かせ方をなくす力になっています。あなたの声を政治に届け、政治を動かし社会を変える、これが日本共産党の議席です。
 給料が安いから残業しないと暮らしていけない、だから長時間労働もなくならない。過労死もなくならない。この悪循環を断つには、賃上げこそが必要です。私は中小企業への支援を抜本的に拡充して、最低賃金は時給1500円へ、8時間働けば普通に暮らせる社会を必ず実現します。
 何よりも私は、働く人の命を守る政治を必ず実現すると、過労死遺族のみなさんと約束しました。だからこそ長時間労働をなくしたい、賃上げだって実現したい。その仕事を引き続き国会でやらせてください。
 私には国会にもっともっと届けたい声があります。借金になる奨学金を借りなくても大学に通いたいという声に応えて、高すぎる学費を値下げしたい。保育園に落ちて働けない人をなくすため、保育園をもっとたくさん増やしたい。
 「子どもを産まないのが問題だ」「LGBT(性的少数者)には生産性がない」―。差別や分断を生む発言が安倍政権、自民党議員から繰り返されています。子どもを産むかどうか、だれを好きになるかは個人の問題です。自分の人生は自分で決める。選択的夫婦別姓、同性婚など十人十色の人生に寄り添える政治こそが必要です。それこそが憲法が生きる政治です。
 私はあきらめません。あなたの声を聞くこと、その声を政治に届けぬくことを。何としても勝ち抜きます。