【衆院本会議】麻生財務・金融相不信任案への宮本議員の賛成討論

日本共産党の宮本徹議員が21日の衆院本会議で行った麻生太郎財務相・金融担当相不信任決議案への賛成討論の要旨は次の通りです。

「老後資金に2000万円不足する」。麻生大臣はこの金融庁審議会の報告書の受け取りを「政府の政策スタンスと違う」と拒否しました。

2004年、「100年安心」の名で導入された「マクロ経済スライド」は長期にわたり年金削減を行うものです。

賛成討論に立つ宮本徹議員=21日、衆院本会議(「しんぶん赤旗」提供)

そのもとで、公的年金では生活費が不足することは政府が説明してきたことです。
それを前提に安倍政権は未来投資戦略で「私的年金制度の普及・充実」を掲げ、自民党選挙公約も「つみたてNISA(少額投資非課税制度)をさらに普及」「私的年金の活用促進」を掲げています。
報告書は「年金100年安心」がまったく安心できないという不都合な事実をわかりやすく示したものです。

先日の財務金融委員会で大臣は、「大きな不安になって、大きな騒ぎになった」と答弁しました。
騒ぎを静め、参院選で与党が不利にならないよう不都合な事実を明らかにした報告書をなかったものにするなど党利党略で断じて許せません。

その上、19日提出の財政審の建議からは、原案の「将来世代の基礎年金給付水準が想定よりも低くなる」などの文言が削除されました。
報告書の受け取り拒否につじつまをあわせ、都合の悪い真実を次々に隠ぺい。森友問題と全く同じです。

報告書受け取りを拒否しても、国民の不安の大もとにある貧困な年金制度、公的年金では生活費が不足し、年金の2割、基礎年金の3割が減額になる事実は何一つ変わりません。

政治がやるべきは、貧困な年金制度の隠ぺいではなく、国民が普通に暮らせる安心の年金制度をつくるために真剣な議論をすることです。
実態を隠し、予算委員会の審議を拒否する与党の責任も厳しく糾弾します。

森友疑惑では、真相隠ぺいのために公文書改ざんを強要された職員が自殺に追い込まれる痛ましい事態が起きました。
麻生氏は財務省の最高責任者として責任をとらないばかりか、その後も財務省と近畿財務局、大阪航空局のやりとりの文書を隠ぺいし続け、情報公開・個人情報保護審査会も違法と断じました。
わが党入手の内部資料では、財務省が会計検査院に報告書の記述変更を求め圧力をかけたことも明らかになっています。
これだけの事態を引き起こしながら、情報を隠ぺい・改ざんする体質が改まらない。麻生大臣は大臣として全く不適格です。

内閣府の景気動向指数は2カ月連続悪化。10月に消費税増税を強行するなら、日本経済と地域経済に破滅的ダメージを与えます。
世論の多数が増税中止を求めているのに国民生活を一顧だにしない姿勢は許せません。

他方、補正予算まで活用してF35戦闘機やイージス・アショアなどの高額な米国製兵器の爆買いなど軍事費を野放図に拡大する予算編成を繰り返し、後年度負担を急激に膨張させ、未来世代の予算まで食いつぶしています。国民の暮らしを守るためにも、これ以上財務大臣を任せられません。

(2019年6月23日付「しんぶん赤旗」より)