周辺人口密度も1/30

横田基地(東京都多摩地域)でパラシュート降下訓練中の米軍がパラシュートを近くの中学校に落下させた事故(10日)から2週間。

米軍特殊部隊や海兵隊が首都・東京の人口密集地で頻繁に実施する降下訓練に対する、周辺住民の不安が現実のものとなりました。

ところが、米本土では降下訓練は、横田基地よりはるかに広大な周辺に人口が密集しない演習場で実施。日本での訓練が周辺住民の生命や安全を無視した異常な訓練であることがわかります。(佐藤つよし記者筆)

高まる住民不安

東京都福生、羽村、武蔵村山、立川、昭島の5市と瑞穂町にまたがる在日米軍横田基地。

同基地配備のC130輸送機の他、米本土やハワイからの大型輸送機、在日米軍基地の戦闘機や海兵隊のMV22オスプレイなどが頻繁に離着陸。

5日には、米空軍特殊作戦機CV22オスプレイも初飛来し、基地強化と爆音・事故への住民の不安が高まっています。

横田基地は面積約7・14平方キロメートルで、南北に延びる3,350メートル(約2マイル)の滑走路を持ちます。
滑走路の中央近くの東側誘導路との間にパラシュートの降下帯がもうけられています。
人口の密集した市街地の中の「降下訓練場」です。

米本土ではまったく事情が違います。

代表的な例が、ノースカロライナ州にある陸軍基地「フォート・ブラッグ」です。
同基地には米陸軍第18空挺軍団、第82空挺師団、陸軍特殊作戦司令部、統合特殊作戦司令部など、パラシュート降下を任務とする部隊が集中的に駐屯し兵士だけでも7万人以上に及びます。

要人暗殺や拉致などを任務とする陸軍のエリート部隊「デルタ・フォース」も拠点としていると言われています。

同基地に付属する演習場の面積は約578平方キロメートルと横田基地の約81倍に及ぶ山林原野で、6カ所の降下帯があります。

横田基地周辺6市町の面積の合計約90平方キロメートルの6・4倍、進入ルートや旋回ルートの直下の、あきる野、日野、八王子の3市、埼玉県飯能、日高の2市を加えた11市町合計の約619平方キロメートルに匹敵する広大さです。

周辺地域の1平方キロメートル当たりの人口を比べても、フォート・ブラッグ周辺6郡は約79人。
横田基地周辺の11市町は約2,390人と80倍もの人口密度です。

基地強化と一体

横田基地での大規模なパラシュート降下訓練が始まったのは2012年1月10日。

2018年4月に行われたパラシュート降下の模様(羽村市平和委員会提供)
「太平洋地域の陸軍部隊」(横田基地広報部)で、一度に100人もの兵士が降下し、住民から「戦争が始まったのかと思った」と驚きの声が上がりました。

米国が「アジア重視」を打ち出したのと軌を一にして、沖縄の海兵隊の偵察部隊や陸軍特殊作戦部隊「グリーン・ベレー」、空軍の降下救難員など危険な戦場に真っ先に投入される部隊の降下訓練が増加しています。

横田基地での事故を伴う危険な降下訓練の激化は、特殊部隊の出撃基地としての変質と一体で進んでいます。

(2018年4月25日付「しんぶん赤旗」より)