日本共産党東京都議団(曽根はじめ団長、18人)が昨年12月20日、小池百合子知事に提出した2018年度と予算編成に対する要望(2462項目、重点要望76項目)の主な事項を紹介します。

<1> 築地市場の移転中止、現在地での再整備

1.豊洲新市場予定地の土壌も地下水も環境基準以下にするという約束が守れず、食の安全、安心が保障できない以上、豊洲新市場への移転を中止し、築地市場の現在地での再整備を進めること。

2.築地市場の本格的補修、改修を早急に行うこと。

<2> 入札契約制度の改革

3.リニア新幹線談合疑惑の全容が解明されるまで、独占禁止法違反容疑で東京地検の捜索を受けた大成建設、清水建設、鹿島建設、大林組との契約は中止・凍結すること。

4.豊洲新市場追加対策工事の特命随意契約は、中止すること。

<3> 国民健康保険料(税)の負担軽減

5.東京都が新たに国民健康保険の財政運営に責任を負うことになるのにふさわしい、都独自の財政支援を実施すること。

6.激変緩和措置にとどまらず、保険料(税)の引き下げ、減免の拡充、子どもの多い世帯に対する負担軽減や、子どもにかかる均等割保険料の軽減などを実施すること。

<4> 待機児解消、保育園の増設と質の充実

7.認可保育園の増設を中心にして、質の充実を図りながら待機児童ゼロを2019年度末に実現できる予算措置をすること。

8.公立保育園の整備費および運営費への補助を行うとともに、認可保育園、認証保育所その他の認可外保育施設について、指導・検査体制を強化し、事前通告なしの立ち入り調査を増やすこと。

<5> 都有地活用による福祉施設整備の推進、福祉人材の処遇改善

9.都有地等を活用した福祉施設整備を、さらに促進すること。都有地貸付料減額の拡大制度は、2018年度以降も継続し、対象を広げるなど拡充すること。都有地活用推進本部の取り組みは、高齢者や障害者分野も対象に加えること。

10.保育、介護、障害者福祉にたずさわる職員の給与改善と職員配置基準の改善、増配置をはじめとした総合的、抜本的な福祉人材対策を拡充強化すること。

<6> 高齢者の福祉・医療の拡充

11.現在の2万510円パスの対象者に対し、所得に応じた中間の費用負担を新設すること。多摩都市モノレール、ゆりかもめ、都県境のバス路線等にもシルバーパスを適用すること。

12.特別養護老人ホームや地域密着型サービスなどの整備費、運営費への補助を拡充し、大幅に増設すること。

13.75歳以上の医療費無料化に踏み出すこと。70歳~74歳で窓口2割負担の人への医療費助成を実施し1割負担にするとともに、65歳以上の医療費助成を実施すること。

14.高齢者の入院時食事療養費への補助を実施すること。

15.後期高齢者医療費保険料の値上げを抑え、負担を軽減するため、財政安定化基金の活用や都独自の支援を実施すること。

16.介護保険の保険料、利用料軽減を実施する区市町村への財政支援を行うとともに都として介護保険料、利用料の減免制度をつくること。

17.認知症疾患医療センターを増設し、地域拠点型の病院のアウトリーチへの支援を拡充すること。多摩地域に認知症支援推進センターを設置すること。

<7> 子どもの貧困対策の拡充

18.子どもの貧困対策推進法に基づく計画をつくり、子どもの貧困解消にむけて具体的な指標と目標を盛り込むこと。

19.児童育成手当を増額するとともに、ひとり親でない貧困世帯への手当制度を創設すること。

20.こども食堂が安定して継続的に運営できるよう、都として財政支援を行うこと。

<8> 障害者・難病患者への支援の拡充

21.障害者の医療費助成を拡充するとともに、福祉手当、重度障害者手当を拡充・増額すること。高齢者の新規申請を再開すること。

22.障害者医療費助成の対象に、精神障害者を加えること。また、障害者福祉手当の対象に、精神障害者を加えること。

23.難病新法による対象疾患の拡大に対応して、ピア相談員体制をさらに強化するなど、難病相談・支援センターの機能を拡充すること。多摩地域の相談支援室を拡充し、多摩地域難病相談・支援センターにすること。

<9> 保健・医療・看護の充実

24.都立病院は直営を堅持して、拡充すること。独立行政法人化をはじめとした経営形態のあり方の検討は中止すること。

25.都立病院、公社病院の医師、看護師、薬剤師等を大幅に増やし、待遇改善と医療・看護体制強化を図ること。多摩・島しょ地域の公立病院・診療所への支援を拡充すること。

26.東京医師アカデミーおよび地域医療支援ドクター事業をはじめ、小児科、周産期医療、救急医療などの医師の養成・確保対策を拡充し、多摩・島しょ地域をはじめ医師不足地域への支援を強化すること。看護師の養成・定着・確保対策を拡充強化すること。

27.救急搬送時間の大幅な短縮にむけ、救急車の台数を増やすとともに、増車に見合う救急隊員の増員を行うこと。救急医療機関における救急搬送患者の受け入れ体制を強化すること。

<10>「居住の権利」保障の推進、住宅施策の拡充

28.住宅局を復活させて、「居住の権利」保障のための住宅施策拡充を推進すること。

29.都営住宅の新規建設を再開するとともに、建て替え時に戸数を増やすこと。若年者、障害者、単身者向けなど募集戸数を思い切って増やすこと。借り上げ都営住宅制度を実施すること。

30.都営住宅の約3割におよぶ住戸は、浴そう・風呂釜を設置しておらず、自己負担により設置しているため、都の責任で設置するように改善すること。

31.区市町村の空き家対策利活用事業への支援を拡充すること。URや都民住宅などの空き家を都営住宅として活用すること。

32.マンションの大規模修繕、耐震性や外壁落下防止などの防災機能向上に抜本的な助成制度をつくること。

33.住宅リフォーム助成を都として実施すること。また、住宅リフォーム助成を実施する区市町村への財政支援を行うこと。

<11> 雇用対策、若者支援の強化

34.都内労働者の最低賃金1500円を早期に実現するよう、国および経済団体に要請すること。非正規労働者と正規労働者の格差是正など、人間らしく働き生活できる雇用環境確保対策を実施すること。負担が増加する中小企業への支援策を合わせて実施すること。

35.高校中退者、非正規雇用者、非就業者を正規雇用につなげる職業訓練や、福祉、建設など人材不足が深刻な分野の職業訓練の規模と内容を大幅に拡充すること。都として職業能力開発大学校、短期大学校の設置を検討すること。

36.若者への家賃助成制度を実施するとともに、低家賃の公的な「若者むけ住宅」を整備、提供すること。

37.青少年施策を専管する組織を設置し、総合的、抜本的な青少年施策の拡充・強化を進めること。青少年施策を治安対策と切り離すこと。

<12> 中小企業、都市農業への支援の拡充

38.中小企業・小規模企業振興基本条例の制定にむけた検討を開始すること。2004年6月以来開催されていない中小企業振興対策審議会を早急に開くこと。

39.事業承継、事業再生を促進するため、相談窓口を強化するとともに、長期貸し付け・超低利の全額保障の融資創設、専門家の派遣など課題解決に向けた経営支援策を拡充すること。持続・継承すべき技能、技術を指定し、都として特別の手立てを講じること。

40.高度な技術力を持つものづくり集積の振興を、都政の重要な柱として位置づけて、まちづくり、福祉、医療、学校との連携を強化するなど、全庁あげて施策を拡充すること。産業集積地域への支援事業を大幅に増額すること。集積地域ごとの必要な人材の投入、研究開発機関や実験施設の整備、異業種との連携を支援すること。

41.長期貸付、無利子ないし超低利、売上減少率の要件緩和など、中小企業が利用しやすい制度融資を創設すること。業績の悪化している中小企業に対し、信用保証協会が借入額の100%を保証する制度融資を拡充すること。区や市の制度融資に、保証料補助、利子補給を行うこと。資金繰りがとくに困難な企業には、経営状況に応じて上乗せすること。個人保証なしの融資を
拡充すること。

42.地域・消費者に魅力ある商店街づくり、地域・消費者参加の商店街活性化に取り組む商店街や区市町村に対する支援事業を創設すること。「新・元気を出せ!商店街事業」を拡充すること。商店リフォーム助成事業を実施すること。

43.都市農業を東京の基幹産業と位置づけ、都市農業振興にむけ担い手育成を拡充すること。生産緑地の、追加指定と区市町村が買い取る場合への財政支援を行うこと。農業施設用地や屋敷林などの宅地並み課税の軽減すること。都市農地、遊休農地などを、防災をはじめとした都市施設として維持できるようにすること。農業体験農園や福祉農園などへの支援を行うこと。

<13> 教育条件の整備・拡充

44.小中学校の給食費をはじめとした教育費の無償化を進めること。

45.私立高校生への学費負担軽減制度は、授業料に加え入学金や施設費なども対象とし、幅広い階層での負担軽減がすすむよう支援すること。都立高校生に対しても、国の制度に加え都独自の給付型奨学金を拡充すること。

46.私立学校教育の充実ならびに公私間格差解消のため、私立学校経常費2分の1補助を堅持、拡充すること。また私立高等学校都内生就学促進補助の単価及び補助額を堅持すること。

47.35人学級を来年度から小学校は3・4年生まで、中学校は2年生まで拡大し、早期に全学年にひろげること。さらに小中学校の30人学級を計画的に実施すること。少人数指導加配は習熟度別指導を条件とせず、1学級2展開を認めること。

48.「学校現場における働き方改革推進プラン(仮称)」の「在校時間が 60時間を越える教員をゼロにする」すなわち残業時間月80時間の過労死ラインを越えないようにするという目標を改め、少なくとも、月の残業時間が45時間を越えないようにすることを、早急に達成すべき目標として定めること。教員の定数及び配置規準を改善し、教員を大幅に増やすこと。

49.いじめ、不登校対策を拡充・強化し、全区市町村および都立小中高等学校、特別支援学校へのスクールソーシャルワーカーの配置・活用を進めること。スクールカウンセラー配置のいっそうの拡充、および養護教諭の複数配置を進めること。

50.都立高校のユースソーシャルワーカーを拡充し、正規職として採用すること。

51.夜間定時制高校3校(小山台、江北、立川)の募集停止及び閉課程は行わないこと。雪谷高校の夜間定時制は、来年4月入学生の募集を行うこと。

52.特別支援学校の教室不足解消は、特別教室の転用も含めて解決できるように特別支援学校の新増設を進めること。また、医療的ケアの必要な子どもたちの通学を保障するために、スクールバスへの看護師の乗車、福祉タクシーの配車、また親の付き添いをなくすために看護師の配置拡充と研修に取り組むこと。重度重複学級を実態に合わせて増設すること。プールの温水化を
促進すること。

<14> 男女平等、人権施策の推進

53.人権施策の推進にあたっては、憲法の人権保障を明確にし、貧困対策、女性差別、LGBTへの差別をなくす取り組みなどを強化すること。国籍、宗教、政治、性別その他あらゆる差別やヘイトスピーチをなくす人権施策を推進すること。また、そのための条例を制定すること。

54.国連女子差別撤廃条約にもとづく、実効ある男女平等施策を具体化すること。東京ならではの男女平等にかかわる問題の掘り起こし、調査研究を進めること。婦人保護施設において、若年女性など年代ごとの特性にも配慮した対策を推進するとともに、民間団体が行うDV被害者支援の活動に財政支援を行うこと。

<15> 防災対策の抜本的強化

55.住宅の耐震化を加速させるために、都の補助対象を整備地域以外の区市町村に拡大し、改修などに対する助成をいっそう充実させること。

56.台風、集中豪雨による水害対策を拡充・強化すること。大規模氾濫減災協議会で早期避難対策等を具体化するとともに、要配慮者施設の「避難確保の計画と避難訓練の実施」など「事前防災行動計画」の策定を進めること。

57.土砂災害警戒地域の指定が広がる丘陵地の造成地、急傾斜地などの崩壊危険箇所、がけ地などの土砂災害対策について、都独自の助成制度を創設するなど、区市町村と協力して支援を強化すること。

<16> 創エネ・省エネの促進、地球温暖化対策の強化

58.原発再稼働の中止を国に求めるとともに、再生可能エネルギー導入、省エネ対策を抜本的に拡充・強化すること。住宅用ソーラーパネル設置補助の復活をはじめ、太陽光機器やコジェネレーションシステム、蓄電池などの設置について支援を行うこと。住宅省エネリフォームの支援を拡充すること。太陽光・熱、風力、洋上風力、波力、中・小水力、地中熱、バイオマスなど
の再生可能エネルギーによる発電を支援し、地産地消型再生可能エネルギーの導入拡大を行うこと。

59.温室効果ガス削減の目標を大幅に引き上げるよう、国に求めること。都として、温室効果ガス排出量取引制度における削減目標を引き上げること。電気事業者も総量削減義務とキャップアンドトレードの対象とすること。また、テナントビルを含めた中小規模事業所の省エネルギーを促進するため、無料診断とともに普及、啓発を強化し、高効率機器の導入など省エネ促進策への支援を拡充すること。

<17> 地域交通の整備、交通バリアフリーの推進

60.東京の総合的な交通政策の柱の1つにコミュニティバスを位置づけるとともに、コミュニティバスへの支援を抜本的に拡充すること。コミュニティバスへのシルバーパスの適用が促進されるよう、運賃補償額算定方法の見直しを行うなど、都の支援を拡充すること。「交通空白地域」の対象要件を緩和し23区も補助を受けられるようにすること。

61.都内すべての駅への可動式ホーム柵(ホームドア)設置を進めること。鉄道駅や車両内の、移動や情報提供などのバリアフリー化を支援し、必要なすべての場所へのエレベーター、エスカレーター設置を更に推進し、要望のある所は複数ルートの設置を行うこと。

<18> 多摩格差の解消、島しょ振興の推進

62.市町村総合交付金を大幅に増額し、配分にあたっては市町村の自主性、特殊性を尊重すること。多摩振興・多摩格差解消を都政の柱にすえ、新たな財政的枠組みを創設するなど、財政支援を強化すること。63.義務教育就学児医療費助成は外来200円の負担をなくし、乳幼児医療費助成をふくめ、所得制限を撤廃すること。23区も含め18歳までの医療費無料化を実現すること。

64.多摩地域および区部の小児医療、周産期医療を拡充し、不足がいちじるしい多摩地域のNICU増設を促進すること。

65.島しょ振興計画の実施にともなう必要な財政支援を充実すること。

66.「有人国境離島法」で国の財政措置が講じられた伊豆諸島の南部地域(三宅島、御蔵島、八丈島及び青ヶ島だけでなく、北部地域への支援も国に求め、南北間で格差が生じないよう一体的な振興をはかること。

<19> 大学と東京都の連携促進

67.東京に集積している大学の専門的知見、教育・研究機能、若い学生の力などを、福祉、医療、教育、防災、まちづくり、産業振興をはじめ都政のあらゆる分野で全面的に活かすため、都内大学と東京都の連携促進に取り組むこと。大学と都の連携促進にむけた基本方針と計画をつくること。

<20> 五輪費用の削減・透明化の推進

68.五輪にむけ整備する競技場は、引き続き整備費削減に努めるとともに、大会後もアスリート、都民が納得できるスポーツ施設となるよう努力すること。都負担は6000億円で合意しているが、縮減に努めること。

69.国が財政面でも開催国として責任を果たすよう働きかけるとともに、新国立競技場整備への都負担はおこなわないこと。明治公園の無償貸与は是正すること。整備計画は周辺の環境と景観に配慮すること。

70.五輪総費用は削減し透明化を図ること。都と国、組織委員会でコスト管理などのために設置した「共同実施事業管理委員会」の役割を発揮し、IOCに対しても経費縮減に協力するよう要請すること。

71.選手村は、建設予定地の都有地を大手デベロッパーに近隣の基準地価の10分の1という破格の安値で売却し、1200億円も優遇するというやり方を改め、基盤整備費の負担をふくめ適正な負担を求めること。住宅計画に都営住宅などを盛り込むこと。

72.岸記念体育会館の土地を代々木公園用地として都が購入するとされている用地費および補償費の予算計上は再検討し、用地購入計画にいたるすべての経過、情報を都民に公開すること。

<21> 不要不急の大型開発の見直し

73.少子高齢化が進み、東京も人口減少にむかう中で、巨額の財政投入を必要とする大型開発は、抜本的に見直すこと。公共事業の計画段階から決定、実施の各段階にわたる住民参加の制度を整備すること。

74.外環道、「外環ノ2」、特定整備路線、優先整備路線をはじめ、住民合意のない幹線道路建設・計画は、中止・廃止をふくめ、抜本的に再検討すること。

75.自動車交通を抑制して既存の道路を有効に活用するため、公共交通への乗り換え促進、都心部への乗り入れ規制などの交通需要マネジメント(TDM)、最新のインターネット技術を活用して効率的な信号制御などを行うことで渋滞解消等を図る高度道路交通システム(ITS)の導入を促進すること。

76.生活密着型公共事業を拡大し、都民生活の質の充実と、中小建設業者の仕事確保、雇用拡大を図ること。公共工事の工事費を積算する労務単価の引き上げが、受注企業の技能労働者をはじめ中小建設業の現場労働者の賃金の改善につながるよう、都として対策を講じること

日本共産党都議団サイトの「2018年度 東京都予算編成に対する重点要望」から転載)

2018年度 東京都予算編成に対する重点要望
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