差別・排外主義をあおる政治に反対し、多文化共生の取り組みを草の根から広げようと、日本共産党都委員会は9月26日、シンポジウムを開きました。外国籍の人たちを支援する行政書士や労働組合役員らが、それぞれの取り組みを報告し、交流しました。

共産党都委が
シンポジウム
都内には、日本で暮らす在留外国人の2割が集まっています。同都委員会は、多文化共生の東京をどうつくるか、政策提言をまとめるため、当事者や支援団体からの聞き取りを進めており、今回のシンポジウムもその一貫として開いたものです。
国会情勢報告を兼ねたあいさつで、山添拓同党参院議員は、「排外主義が国政にまん延し、さまざまな不合理な政策が進められてきた」と指摘。
排外主義の広がりが、戦前から続くアジア人差別や、日本の戦争責任を否定する歴史修正主義と結びついているとして、「一つ一つ、克服していくしかない。ヨーロッパでも、アメリカでも、一軒一軒訪ね、一人一人と街頭で対話を重ねている。多くの人に暮らしの困難をもたらしている、政治そのものを変える声を広げていこう」と呼びかけました。
生活と人生を左右
シンポジウムでは、さまざまな現場で、排外主義の広がりとたたかう当事者が、報告しました。
行政書士で杉並民商会長の山田恭やすなが永氏は、外国人の在留資格の申請実務に多く関わってきた立場から、日本の入管行政の問題点を発言しました。
山田氏は、「在留資格は、単なる行政上の許可にとどまらない。不許可になれば、仕事を失い、家族と離れ、日本で築いてきた生活そのものを奪われる。人間の生活と人生を左右するものだ」と強調しました。
日本で事業を行うための「経営管理ビザ」が厳格化され、資本金要件が500万円から3千万円に大幅に引き上げられたことについて、山田氏は「日本人の会社でも、資本金3千万円というところは、そう多くない。(ビザの)実態に基づかない取り上げによって、地域に根付いて経営してきた外国料理店などが閉店を余儀なくされている。従業員や取引先など、地域経済にも影響を及ぼす問題だ」と語りました。
日本人にない問題
労働組合の首都圏移住者ユニオンの本多ミヨ子書記長は、外国籍の労働者から寄せられる相談から見える実態について発言しました。
本多氏は、ビザの更新には雇用期間の更新が必要なため、賃下げやパワハラがあっても仕事を辞められず我慢するしかなくなることなど、「日本人にはない外国人労働者特有の問題点」が多くあることを紹介。「怒りを覚えるようなひどい事例を、相談で聞いてきた。『辞める自由』を持てない労働者を、労働者と言えるのか」と述べました。
排外主義の政策の広がりで外国人の無権利状態がさらに強まり「労働相談が急増している」として、「人権を守る活動として、一つ一つたたかっていかなくては」と決意を語りました。
世論が事態動かし
都政における差別・排外主義とのたたかいを、とや英津子都議が報告しました。
とや氏は、都議選で、参政党などが都議会にも議席を持つなかで「主に自民党や参政党によって、外国人差別に基づく質疑が都議会でも行われている」と告発しました。
同時に、関東大震災での朝鮮人虐殺犠牲者への追悼文の送付を小池知事が拒否している問題では、昨年と今年、2年連続で3会派の共同で、送付を求める申し入れが行われました。また、高校授業料無償化などから朝鮮学校が排除されている問題では、超党派の勉強会が始まり、学校視察には自民、公明、都ファの議員も参加しました。
とや氏は「都民の世論と運動の力が、事態を動かしている。都民とともに、運動を広げ、外国人差別のない東京をつくっていきたい」と呼びかけました。
「選挙で有利」と
宮本徹元衆院議員は、政策提言に向けて「当事者、団体からの聞き取りで学んでいること」をテーマに発言しました。
宮本氏は、「排外主義が政治で広まる背景には、『選挙で有利だ』という思惑がある」と喝破。「選挙に勝つために、外国人に過大な負担を負わせ、人生設計を狂わせている。政治家の救いがたい堕落だ」と厳しく批判しました。
また、さまざまな労働分野の担い手不足が深刻になっている日本の現状を指摘し、「日本で働き、住み続けたいという人たちが出ていかざるを得なくなっている。(参政党などが)『日本を壊すな』と言いつつ、むしろ日本の持続可能性を壊している」と語りました。
あわせて、この間の外国人当事者や支援団体からの聞き取りで、「本来は公的機関がやるような支援を、民間が取り組んでいる。そこからも学び、政治に求めていきたい」と強調しました。
後半は、日本に帰化した大学生、夜間中学の元教員、地方議員などが各分野の実態や活動を紹介しました。シンポジウムの動画は、日本共産党都委員会のユーチューブチャンネルで公開されています。

