都議会代表質問 斉藤議員が迫る

日本共産党の斉藤まりこ都議は9日、都議会代表質問で物価高対策のための中小企業賃上げ支援など「生活できる東京」をめざす五つの柱を提案し、都に実施を迫りました。
五つの柱は、①物価高から暮らしを守る政策②自己責任・市場原理優先の政治を終わらせ、公共を取り戻す③すべての人の権利を大切にする④財界ファーストの都市計画の抜本的な見直し⑤高市政権が進める戦争準備を止める―です。
斉藤氏は第一の柱の中の中小企業支援に触れ、都が補正予算案に賃上げ支援を盛り込んだのは重要としつつ「全額国費であり、生産性向上が主な目的だ」と指摘。「都も賃上げのみを要件とする『中小企業の賃上げ応援事業』に新たに踏み出すべきだ」と迫りました。
都の賃上げ支援事業の一つである「魅力ある職場づくり推進奨励金」は、申請から支給まで平均1年7カ月かかり、2024年度に応募した企業への支払い実績はゼロ件だと指摘。「スピード感が全くない」と述べ、知事の見解を問いました、
田中慎一産業労働局長は「賃上げの実効性の確保と、奨励金の速やかな支給の両立を図る方策について検討を進めている」と答えました。
高市早苗首相が11月14日の参院予算委員会で、最低賃金1500円の目標を事実上撤回する発言をしたことについて、斉藤氏は「最低賃金の大幅引き上げを首相に求めるべきだ」と要求。「これまでと同じ暮らしをしているのに、光熱費や食費が上がり、副業を二つ始め、夜も仕事に追われている」という、正社員で働く30代女性の声を紹介し、小池都政の物価高騰対策について「都民生活の深刻な現状と、都の財政力に照らして規模も中身も貧弱」として、さらなる追加支援を求めました。
斉藤氏は都が行う物価高騰対策の6割以上が、東京アプリにポイントを付与する事業であり「はじめから多くの人を排除することになる」と述べ、「東京アプリの450億円は、支援を必要とするすべてに届く物価高騰対策に充てるべきだ」と迫りました。
山下聡財務局長は「より多くの都民に参加いただけるように取り組む」と答えました。
女性の権利尊重と原発再稼働も問う
9日の東京都議会本会議での代表質問で、日本共産党の斉藤まりこ都議は女性の権利尊重と性搾取の処罰も求めました。また、原発再稼働について小池百合子知事の姿勢をただしたほか、巨大データセンター(DC)の規制なども要求しました。
今回の都議会に提出される女性活躍条例案は、「東京の持続的な発展」のための条例だとしています。斉藤氏は「知事は『未利用エネルギーの最たるものが女性だ』と繰り返し発言している。女性の権利の視点がない。人を経済や都市活動を動かす道具としか見ていないのでは」と指摘し、「女性の権利の尊重こそ必要だ」と述べました。
その上で、タイの12歳の少女が都内で性的行為を強制されていた事件に言及。「性搾取・性売買の中心地が東京。買う側と事業者の処罰が必要だ」として、都に「買う側の意識調査」を求めました。
新潟県知事が原発再稼働を容認したことについて斉藤氏は、新潟日報のアンケートで県知事の判断を支持しないと答えた人が78・4%に上ったとして、小池知事の受け止めを質問しました。
小池知事は県知事の判断を「非常に重みのあるもの」と答弁。斉藤氏は「都は東京電力の大株主。再稼働を止めるために力を尽くすべきだ」と批判しました。
また各地で続く巨大DC建設について「知事は『CO2排出実質ゼロ』を目指すと言いながら、莫大なCO2を排出するDCを推進する。矛盾の極みだ」と指摘。条例によるDCの規制や、環境アセスメントの対象とすることなどを求めました。
(「しんぶん赤旗」2025年12月11日付より)
