都議会議連が撤回要求 文科省に抗議

多数の樹木を伐採し超高層ビルを建設する神宮外苑再開発(東京都新宿区・港区)で、秩父宮ラグビー場の移転建て替えに伴う財産処分を阿部俊子文部科学相が認可したのに対し、超党派の「神宮外苑再開発をとめ、自然と歴史・文化を守る都議会議員連盟」が25日、文科省を訪れ、撤回を求める要請書を担当者に手渡しました。市民や専門家、国会議員有志も参加しました。
事業者の一つ、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)は7月31日、同ラグビー場用地の財産処分を申請。文科相は今月7日付で認可していました。ラグビー場を屋根付き多用途施設として建て替える同計画には、ラグビー関係者・愛好者や都市計画の専門家らが批判の声を上げています。
参加者は、市民の声も聴かず申請からわずか1週間で認可したことに抗議。「国民の財産なのに、JSCが行ったという不動産鑑定の資料が公開されていない。認可に至った意思決定過程の資料を全て公開すべきだ」と求めました。
文科省の担当者は「申請内容について、2月からJSC側と確認してきた」と正当化。参加者は「認可を前提にした協議だ。申請内容が不十分なら、却下すべきだ」と批判しました。
石川幹子・東京大学名誉教授は「緑地が保全されない再開発の見直しを何度も要請してきたのに、国は全く答えていない。建て替え計画も群衆雪崩の危険がある。国はしっかり対応すべきだ」と求めました。
抗議行動には、日本共産党から吉良よし子参院議員、大山とも子、里吉ゆみ、尾崎あや子、原田あきら各都議が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2025年8月27日付より)