文科省通知受け 2私大が実施へ
入学しない学生が払う入学金「二重払い」の負担軽減を文部科学省が6月に私立大学に通知したことを受けて、複数の大学が今年度に実施する入学試験から、入学しない学生が支払った入学金の全額もしくは一部を返金することを決めたことが8日までにわかりました。日本共産党の吉良よし子参院議員が、若者の調査をもとに「二重払い」の解消を求めていました。
美作(みまさか)大学(岡山県津山市)は3月末までに国公立大学に合格し、同大の入学を辞退した人に、入学金全額を返還する制度の導入を決めました。理由は「各家庭の経済状況を考慮し、入学金の負担が高校生の皆様の進路選択の幅を狭めることがないよう」にするためとしています。
桃山学院大学(大阪府和泉市)は国立大学前期日程の合格発表後となる3月12日までに入学を辞退した受験生全員に、入学申込金(23万円)の約8割となる18万円を返金することを決めました。また入学手続き時に分納制度をもうけ、最初の入学手続きで払う入学申込金を従来の全額でなく、約2割となる5万円を納入する制度に変更しました。「経済的な負担を軽減」するためとし、受験生の「進路選択を支援する」としています。
いずれもホームページで公表しています。
吉良氏要求 国・大学動かす

吉良よし子参院議員の話 二つの私立大学が「二重払い」となる入学金の返還を発表したことは大きな一歩です。「二重払い」が受験機会の不平等をうむと声をあげたみなさんと一緒に、政治も大学も動かした成果です。他大学も続いてほしい。国は「二重払い」の解消を大学まかせにするのではなく、私学助成など教育予算を抜本的に増額するべきです。力を合わせて日本にしかない入学金制度をなくし、学費値下げ・無償化を進めていきたい。
(「しんぶん赤旗」2025年8月9日付より)