差別やめて 学生ら抗議

外国人留学生の支援打ち切り方針

 文部科学省が博士課程の大学院生を支援する「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」制度において、外国人留学生に生活費を支給しない方針を固めたことに対し、学生や留学生、教員らが30日、同省前で抗議の声を上げました。国籍に基づく不当な措置の撤回を求める学生らが主催しました。

 大学でフェミニズムなどの研究をしている准教授はマイクを握り、「教育の現場に差別が持ち込まれようとしている。これは初めてではない。高校授業料無償化されたときに第2次安倍政権は朝鮮学校を排除した。国籍差別、排外主義が持ち込まれた結果」だと強調し、「人と人を分断するのではなく、ともに生きる場として(教育・研究現場を)守っていかなければならない」と訴えました。

 今年4月に東京の大学に研究生として留学した女性は「日本が好きで、日本でフェミニズムの研究をしようと日本語も学んでやってきました。来年から日本の大学の修士課程に進む予定ですが、国籍条項を設けるという話に戸惑っている」と言います。

 中国から日本に来て3年という会社員の男性は、友人の留学生と参加。「日本人以外は支給しないなんて差別だ」ときっぱり。選挙中に「日本人ファースト」を掲げていた政党の存在に、「怖くなった」と語りました。

 学費値上げ反対運動を間近に見て「声をあげなくちゃと思うようになった」と話す東京大学大学院修士2年生は「周りにたくさんの留学生がいる。彼らだけが支援を打ち切られたら、どんな顔をして会えばいいのか」と言い、「おかしいことはおかしいと声を上げなくちゃ自分が差別する側になってしまう」と話しました。

 先月末から呼びかけられた署名「博士課程の学生を国籍で差別しないでください」には1カ月ほどで1万9300人超が賛同を寄せ、この日文科省に提出しました。提出には日本共産党の吉良よし子参院議員と、社民党のラサール石井参院議員が同席し、抗議行動でスピーチしました。

(「しんぶん赤旗」2025年7月31日付より)

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