あなたの困ったから始める
町田市(定数4)池川友一都議

勝手連が始動
私と共にたたかってくれる「勝手連」が4月から活動を始め、都議選をどうたたかうかを話し合っています。「主役は候補者ではなく市民」をコンセプトに、仕事も家族構成も違う人たちが一致点で集まるプラットホームと位置付け、選挙が終われば解散し、新たに立ち上げるということを繰り返してきました。
一期目の選挙の時に「都議会に送ってほしい」と私が訴えると、メンバーの一人が「そうじゃない。私たちが池川さんを都議会に連れて行くんだ」と言いました。参加していたみんなが町田で初議席を必ず取りにいこうとなった瞬間で、しびれました。
名称も毎回変わり、今回は「U―try(トライ)」です。ラグビーで得点を決めることをトライと言い、スクラムを組み、自分の持ち場で力を発揮する。みんなでボールを前に進め、トライを目指します。「みんなで政治を前に進めていきたい」という思いが込められています。
「Let‘s try it」(やってみよう)のトライでもあって、「政治はあなたのもの。はて?と思うこと、こうなればいいと感じることを形にするために、みんなでやってみよう」という呼びかけています。
みんなの声で
キャッチフレーズの「あなたの〝困った〞からはじめる 変えてきた、みんなの声で」も、同じ思いを込めています。振り返ると、この思いを体現したような4年間でした。例えば公約の「公共交通の子ども料金18歳まで拡大」は、「中学生から大人料金になるのはおかしくない?」という若い人からの素朴な疑問からです。
調べてみると、小児運賃の規定は、83年前(1942年)に決められたもので時代に合いません。世界に目を向けると、公共交通運賃は18歳まで割引が当たり前です。これまでの当たり前を問い直し、みんなで政治の課題へと押し上げたいと思います。
進学先を選ぶ際に、通学費用が影響していることも分かりました。子ども料金の拡大と合わせ、通学定期の補助や学生フリーパスの創設を政策化し、都議会で提案しています。
給食はダブル実現
学校給食の問題もそうです。町田市の中学校給食は希望者に届ける弁当給食で喫食率が10%と低く、子どもたちからは「小学校と同じ温かい給食がいい」という声がたくさん寄せられ、市民のみなさんの「中学校全員給食を」という大きな運動が広がりました。市議会に出された2万3000人分の請願署名は、自民、公明などの反対で不採択になりました。しかし市民のみなさんはあきらめず声を上げ、共産党市議団はそれと結んだ論戦で市政を動かし、ついに中学校全員給食の重い扉をこじあけました。今年度中にはすべての中学校で全員給食が始まります。
さらに今年1月から都の補助拡充を受けて、町田市を含めて都内公立小中学校の全てで無償化しました。8年前に公約に掲げた給食を巡る2つの公約が実現したのです。
都県境越えても
25年間1㍉も動かなかったシルバーパスの負担軽減(2万510円が1万2千円)が実現しました。一方、町田市民の切実な願いである都県境を越えても利用できるようにはなっていません。
町田市に隣接する横浜市や川崎市では、敬老パスをIC化したことで、路線全体にパスを適用する措置を行いました。今年度から東京都もIC化をはじめるこのタイミングで、みんなで声を上げ、実現するところまで進めたいと決意しています。
子どもは主権者
髪型のツーブロック禁止や下着の色指定など、都立高校から理不尽な校則をゼロにすることができました。一方で「票にならないことになぜ取り組むのか」と尋ねられることがあり、モヤモヤした気持ちになります。
私の中では、子どもの声を聞くのは当たり前なのです。その土台にあるのが、子どもから大学生まで活動してきた「子ども会少年団」での体験です。生意気な子どもだったと思いますが、私の意見を切り捨てることなく、真剣に受け止めてくれる、仲間やおとながいました。
そもそも子どもは主権者です。子どもの権利条約でも都のこども基本条例でも権利の主体です。「言ってもしょうがない、無駄」という声があふれる社会の中にあって、「はて?」という疑問は、社会を変える力だと思っています。
「子どもや若者のことは、子どもや若者を抜きには決めない。子どもや若者の声を聴いて決める」│そういう東京にするために引き続き頑張ります。
誰もが生きやすい東京に
北多摩4区清瀬市、東久留米市(定数2)原のり子都議

2期目の当選後、それまで取り組んできた東京都のパートナーシップ制度がようやく動き出したこともあって、この4年間、人権のことを今まで以上に考えることが多くなりました。LGBTQ(性的少数者)の当事者の方たちは差別されたり、自分の性について言うことができなかったり、そういうなかで生きてこられています。本来、誰もが自分らしく生きる、愛する人と幸せになる権利があります。
共産党都議団としても、制度の実施に向けて調査・質問を重ねていました。都議選直前の21年6月の第2回定例会で、パートナーシップ制度を求める請願が全会一致で趣旨採択になりました。これを受けて、ようやく知事が「検討する」と約束し、翌22年11月に制度がスタートしました。
生きづらさの背景
いま強く思っているのは、生きづらい社会を変えたいということです。いろいろな場面で、多くの人が生きづらさを抱いていると感じています。小中学生の不登校の子どもたちは、都内で3万人を超えました。オーバードーズ(市販薬などの過剰摂取)をはじめ依存症で苦しんでいる若者もたくさんいます。
誰もが生きづらさを抱えているのに、つながりあうことが難しくなっています。背景に誤った「自己責任」と「分断」を助長する政治があるからと考えています。
小池都政は人の生き方を応援する姿勢が、とても弱いです。例えば少子化対策ですが、「結婚に向けた気運醸成等」事業の中心はマッチングアプリによる「官製婚活」です。「子どもを産むこと」を応援するもので、若い女性から「疎外感がある。多様な生き方を認めてほしい」という声が寄せられました。実際、結婚しない、産まない、産めないという人もいますし、パートナーシップ制度の趣旨にも反します。
オーバードーズは「特殊なケース」「人間的に弱いからだ」と見られがちですが、そうではありません。当事者から話を聞くと、特に若い人にとって身近な問題です。20代の女性は望んで就職した福祉職場の夜勤で、従来の不眠対策の薬が服用できなくなり、オーバードーズになったとのことでした。また、不登校ぎみの高校生が親に心配させたくないと薬に頼って登校を続けたケースもありました。
生きづらさを共有して、安心して相談できる場を作ることが急がれると議会で要求してきました。提案した無料通話アプリのライン相談が今年度予算化され、4月からスタートしました。小さな一歩ですが、実現できてうれしく思っています。
拡充へあと一歩
障害者福祉も大事なみんなの課題です。誰もがけがや病気で障害者になることはあり得ることです。障害者医療費助成制度は重度の方は無料(住民税課税者は1割負担)ですが、中軽度はいまだに3割負担です。「作業所の工賃を持って病院に行っても、足りないから病院に行くのを我慢しています」と話してくれた知的障害の方もいます。もう放置できません。医療費助成拡充の運動は、10年近く続いています。都議会では2回連続で請願。陳情が継続審査となりました。反対する都議はいなくなったのです。あと一歩です。
障害者福祉手当は29年間、1円も上がっていません。拡充を求める陳情も全会一致で継続審査となりました。これまでの不採択から変化を起こしつつあります。実現できるかは、今度の都議選の結果にかかっています。
市民と手をつなぎ
私が共産党に入ったのは大学生の時です。戦争反対を貫き、幅広い共同で政治を変えることを目指す綱領に感銘を受けました。就職した共産党千代田地区委員会では、社会や職場を良くするために地道に努力する党員の姿に多くを学びました。その経験は私の政治姿勢に生きています。
地元の東久留米市や清瀬市では、「市民力」で政治を動かしていると実感しています。2人区で続けて当選できたのも、その力です。そして声を上げたくても上げられない人たちの声を都議会に届けることができるのは、共産党都議団が19人いて、各委員会に複数の委員を出せていることも大きいと思っています。
誰もが安心な都政をつくるのは都民共通の課題です。市民のみなさんと手をつないで、ともに生きやすい東京をつくるために力を尽くします。