神宮外苑の樹木移植 専門家が現地調査

木が競合で「ダメージ」

神宮外苑再開発で移植された樹木を視察する藤井英二郎・千葉大学名誉教授(中央)。その右は原田あきら都議=22日

 東京都の明治神宮外苑に超高層ビルなどを建てる再開発計画で始まった樹木の移植について、環境植栽学が専門の藤井英二郎・千葉大学名誉教授が22日、実際の移植先を視察しました。藤井氏は、すでに樹木が混みあっていた地点に移植しているとして「無理なことをやっている。木々が競合する。移植木にも既存の木にもダメージになる」と警鐘を鳴らしました。

 視察は日本共産党都議団の要請で実現。原田あきら都議や、再開発反対の声を上げる市民グループ関係者が同行しました。

 藤井氏はこの日朝から約1時間半、市民グループの案内で移植された木を見て回りました。

 移植先は数メートル~10メートルほどの間隔で木がある所が多く、藤井氏は「地中は木々の根っこだらけなはず。こういう所に移植したのだから、既存の木の太い根を切断せざるを得なかっただろう。競合した木々は年月をかけて衰弱していく」と指摘しました。

 その上で、「伐採を減らして移植を増やせば心理的な負のイメージを軽減できると思ったのだろうが、木には尊厳がある。それを台無しにするようなことを人間はしてはいけない」と再開発計画を批判しました。

(「しんぶん赤旗」2024年11月23日付より)