人権に悪影響及ぼす|参院外交防衛委員会

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山添氏 神宮外苑再開発ただす

 日本共産党の山添拓議員は6日の参院外交防衛委員会で、国連「ビジネスと人権」作業部会の報告書(5月27日)が神宮外苑再開発は「人権に悪影響を及ぼす可能性がある」と警告した問題についてただしました。

 政府は報告書発表の翌日「事業者から意見を得ずにまとめるのは間違い」だとして項目全体の削除を求めています。外務省の松尾裕敬参事官は山添氏に、神宮外苑についての見解は「東京都が検討、作成した」と答弁。都の意向をそのまま政府見解としたことが明らかになりました。

 山添氏は「住民とまともな協議なく(開発を)進めることが問題視されているときに、事業者の意見を聞けという東京都の主張で見解を示したということだ」と批判しました。

 また、「明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会」が再開発について十分な説明を受け、意見を届ける権利を求めているとして、「ビジネスと人権」の指導原則に照らし、環境影響評価(環境アセス)手続きでの「事業者と住民の協議は必要ではないか」と質問。環境省の大森恵子審議官は、環境アセス手続きで説明会など広く意見聴取する機会の確保を事業者に義務づけており、「企業の環境面での人権尊重の考え方にそったもの」だと答弁しました。

 山添氏は、外苑再開発の環境アセスはユネスコの諮問機関イコモスのヘリテージアラート(緊急声明)を無視し、国際影響評価学会(IAIA)日本支部はアセスの枠組み自体、持続可能性への負の影響をほとんど評価できないと批判しているとして、「『ビジネスと人権』やSDGs(持続可能な開発目標)を看板倒れにしてはならない」と述べ、事業者の利益ありきの再開発を批判しました。