参院法務委 山添氏「懸念・不安置き去り」
日本共産党の山添拓議員は14日の参院法務委員会で、民法改定案について、合意がない父母にも家庭裁判所の判断で「共同親権」とする仕組みをつくるべきではないと追及し「広がる懸念と不安を置き去りに法案の採決ありきの姿勢は許されない」と迫りました。
改定案は、家裁の判断で「共同親権」を強制しうる規定になっていますが、法務省は裁判所での話し合いで合意できなければ「単独親権」とすると説明しています。
山添氏は「合意がない『共同親権』を認めないと断言するなら法制審に諮り直すべきだ」と迫りました。小泉龍司法相は「合意できない夫婦がもう一度子どもの利益のために話し合おう」という趣旨だと説明。山添氏は「これが家族のあり方としてよい方向だと合意を促していく仕組みは妥当ではない」と批判しました。
改定案は「共同親権」を定めるにあたり、将来のDV(配偶者などからの暴力)や虐待の恐れがある場合は除外するとしています。
山添氏は“過去にDVがあっても今は反省しているから”と「共同親権」の合意を促す方向で運用される危険があると強調。DV被害当事者が参考人質疑で、一度暴力を振るわれると夫婦の関係が全く変わり、顔色を見て怒らせないように振る舞う癖がついたと語ったことを示し「少なくとも過去にDVや虐待があったケースでは、被害者の同意がない限り『共同親権』としてはならないと法文上明らかにすることが必要だ」と迫りました。
同委理事会には法務省が「共同親権」となった場合に親の資力などが要件となる支援策など16項目のリストを初めて提出。委員会で竹内努民事局長は「資料に掲げられていないものも整理を進めたい」と述べました。山添氏は「本来法案審議に先立って準備する内容だ。審議の前提を欠く」と指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2024年5月15日付より)