羽田事故 管制官数抑制が背景

❚ 山添氏 安全軽視を批判 参院決算委

 日本共産党の山添拓議員は13日の参院決算委員会で、日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した1月2日の羽田空港事故の背景を巡り、航空管制体制の問題を追及しました。

質問する山添拓議員=13日、参院決算委(しんぶん赤旗提供)

 山添氏は過去20年の航空管制官数の推移について、「全国で航空機の取り扱い機数が1・6倍に増加しているが管制官数は2000人前後で横ばいだ」と人的体制への認識をただしました。斉藤鉄夫国土交通相は「外部有識者の議論をふまえ、体制強化の必要性を検討する」と述べるにとどまり、自身の認識は示しませんでした。

 山添氏は、取り扱い機数が増える中、管制官は増員されず、1人当たりの業務量も著しく増加していると強調。ヒューマンエラーを防ぐための航空管制官のもう一つの目、耳として「飛行監視席」が設けられたものの、「羽田空港は常時3本の滑走路を運用する。1人では足りないのではないか」と迫りました。

 管制業務の連続着席時間の制限を超えた事例はないとされていることについてふれ、「休憩時間が何分とられたか記録はあるのか」と質問。平岡成哲航空局長は適切に対応しているとした一方、「記録はない」と答えました。

 山添氏は「そもそも航空管制官が足りないのではないか」と疑問を呈し、過去5年間の欠員を追及。平岡局長は、2019年に38人だった欠員が24年には94人に拡大していると明らかにしました。

(しんぶん赤旗2024年5月14日付より)