生活保護裁判上告するな

衆院厚労委 宮本徹氏、自民の減額強行指摘

 日本共産党の宮本徹議員は6日の衆院厚生労働委員会で、生活保護費減額取り消しと賠償を国に命じた名古屋高裁判決を受け、上告せず全面解決に向かうべきだと迫りました。

質問する宮本徹議員=6日、衆院厚労委

 宮本氏は「地裁判決は直近は原告の9勝1敗。なぜ国の敗訴が続いていると考えているのか」とただしましたが、武見敬三厚労相は「係争中のため差し控える」と答弁を回避しました。

 宮本氏は国の連続敗訴の背景には、自民党が2012年に生活保護基準10%削減を公約し、それに呼応し政府が恣意(しい)的な計算式で減額を強行したことがあると指摘。政府が当初、減額理由を「物価下落で可処分所得が増えたからデフレ調整した」と説明しながら、敗訴を重ねる中「国民との不均衡の是正を図った」と説明を変えたことをあげ、「当初の主張がもう通用しない。政治主導で行った間違いは政治主導で正せ」と強調しました。

 宮本氏は、75歳以上の医療費窓口負担を原則2割に引き上げる検討をしているとの報道について追及。昨年10月に年収200万円以上の高齢者が2割負担になった影響についてただすと、武見厚労相は「1割負担にくらべ受診日数が3・1%減少した。さらに詳細な分析をする」と述べました。

 宮本氏が、2割負担を社会保障の「改革工程表」に盛り込まないということかと重ねてただすと、武見厚労相は「現時点で(2割負担を)検討している事実はない」と答えました。

(「しんぶん赤旗」2023年12月7日付より)