❚ 来年2月 106駅で整備完了 障害者団体と党の運動実る
東京都営地下鉄浅草線の西馬込駅(東京都大田区)で18日、ホームドアが稼働を始めました。同線のうち都交通局が管理する全駅で、ホームドア設置が完了しました。
また、来年2月には、京成電鉄と共同管理している押上駅(墨田区)でも設置を完了する予定で、都営地下鉄4路線(三田線、大江戸線、新宿線、浅草線)全106駅でホームドアの設置が完了することになります。
鉄道駅では視覚障害者や体調を崩した人らがホームから転落し、死傷する事故が相次いでいます。国土交通省が日本共産党の田村智子参院議員事務所に提出した資料では、2022年度、全国で鉄道駅ホームから視覚障害者が転落した事例が60件起きていました。
障害者団体は長年、ホームドアの設置を求め運動。全日本視覚障害者協議会(全視協)や東京視覚障害者協会(東視協)は駅の現地調査を重ね、国土交通省や都、鉄道事業者に対する要請行動に取り組んできました。
都議会では、共産党の秋田穫雄都議(当時)が1996年5月の公営企業委員会で、初めて都営地下鉄12号線(現・大江戸線)駅へのホームドア設置を提起。党議員が繰り返し求める中で、都は2006年末策定の長期計画でホームドアなどを「都内全ての駅に設置」すると打ち出しました。
全視協代表理事の山城完治さんは「ずっと運動してきた一人として、本当にうれしい。視覚障害者にとって、ホームを落ちずに歩けることは、安心して外出するための第一条件です。駅の現地調査には、共産党の議員にも一緒に来てもらい、議会で取り上げてもらいました。日本中全ての駅で、ホームドアの設置を当たり前の状態にしてほしい」と話しています。
❚ 共産党の福手ゆう子都議(都議会公営企業委理事)の話
本当にすごいことです。これまで都交通局は議会で、車両編成の違いやカーブのあるホームなど、全駅設置には「いくつもの技術的に困難な課題がある」としてきました。共産党都議団は、民間鉄道会社が行う転落防止の取り組みを調査・研究し、障害者団体の方たちと一緒に現場を歩いて課題を明らかにし、一つ一つ具体化を迫ってきました。障害者の方々の切実な声と粘り強い運動、一貫して求め続けてきた都議団の取り組みが全駅設置に大きく貢献しました。引き続きバリアフリー化に取り組みます。
(しんぶん赤旗2023年11月19日付より)