朝鮮人虐殺の史実に触れず

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関東大震災 小池都知事が会見

 小池百合子東京都知事は1日の記者会見で、1923年の関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典に追悼の辞を今年も送付しなかったことを問われたのに対し、虐殺の史実に触れませんでした。

 式典は、震災の混乱の中で「朝鮮人が襲ってくる」などのデマが流され、軍隊、官憲、武装した市民によって虐殺された多数の朝鮮人ら犠牲者を追悼するため、実行委員会が墨田区横網町公園で毎年開いているもの。

 追悼式典には74年以降、就任1年目の小池知事を含む歴代の知事が毎年追悼文を送付してきました。小池知事は2017年以降、一方的に送付を取りやめました。

 小池知事は、会見で追悼式典と虐殺の歴史について問われたのに対し「(同日の)慰霊大法要において先の関東大震災および大戦で犠牲となったすべての方々への哀悼の意を表している」と具体的に語りませんでした。

 実行委員会は8月19日に「災害で亡くなった人の死と、殺された人の死を一つにくくって『追悼』することはできない」と声明を発表。日本共産党都議団は22日の知事あての申し入れで、知事の姿勢は関東大震災における朝鮮人虐殺を明白な史実と認めず、歴史修正主義にくみするものだと批判しました。

(「しんぶん赤旗」2023年9月2日付より)