統一協会「計画撤回」を拒否  東京・多摩

❚ 研修施設巡り国士舘大に回答

 統一協会(世界平和統一家庭連合)が国士舘大学多摩キャンパス(東京都多摩市)隣接地に宿泊可能な研修施設の建設を計画している問題で、同大学を運営する学校法人国士舘が「計画の中止と撤回」を求めた申し入れ書に対し、協会側が「お応えしかねる」と拒否していたことが3日までに分かりました。

 問題の土地は、統一協会が昨年4月に都内の食品卸会社から購入しました。広さは約6300平方メートルで、食品卸会社が使用していた倉庫などがあります。協会は7月3日から解体工事を始めました。

統一協会が食品卸会社から購入した土地にある建物(左)。右に並ぶのは国士舘大学多摩キャンパスの建物=3日、東京都多摩市

 国士舘は7月20日、同計画の中止と撤回を求める申し入れ書を協会の田中富広会長宛てに提出していました。

 申し入れ書は、統一協会が霊感商法や高額献金などの問題で社会から厳しく指弾されているとして「教育の環境に著しい悪影響を与える」と強調。多摩キャンパス周辺に住む学生も多く「(統一協会の)違法行為に加害者、あるいは被害者として巻き込まれる現実のおそれがある」と危機感を表明しています。

 統一協会が聞き入れない場合は「可能な限りの手段」を講じ、法的措置も「排除するものではない」としていました。

 協会側は同月27日、多摩市に建設する研修施設に関して「主に室内での学習」が目的だと主張。教育環境への悪影響を懸念することは「誹謗(ひぼう)中傷と言っても過言ではない」と回答しました。

 国士舘は翌日、回答について「到底、受け入れられるものではない」と抗議。「引き続き関係諸機関と緊密に連絡をとるなどして、統一協会に対し、本件土地を拠点とする活動計画の中止と撤回を求める」との考えを示しています。

(しんぶん赤旗2023年8月4日付より)