多数の樹木を伐採することに批判の声が上がっている神宮外苑(東京都新宿区・港区)の再開発計画について、文化財保護の提言を行う日本イコモス国内委員会は6日、都庁で記者会見しました。同会の調査をもとに神宮外苑の保全・継承についての提言を発表し「伐採樹木が減ったとの誤解が広がっているが、実際は989本が危機にある」と告発しました。

伐採予定のイチョウ並木の一部=東京都(しんぶん赤旗提供)

再開発は、三井不動産、明治神宮、伊藤忠商事、日本スポーツ振興センターが事業者で、神宮球場と秩父宮ラグビー場を移転・建て替えし超高層ビルなどを新設するもの。事業者は8月の環境影響評価審議会で、伐採樹木を971本から556本へと、4割減にさせたと発表しました。

会見で石川幹子中央大学研究開発機構教授は、審議会で提示されたエリアには、絵画館前広場が含まれていないと指摘。過去の調査では、再開発地域全体の伐採樹木総数は892本、審議会のエリアの伐採本数は660本で、元の数に戻ったにすぎないと指摘しました。

石川氏は、事業者が伐採本数から除外した樹木も新たに移植可能とした樹木も根拠が不明確だと強調。実際には衰退が懸念されるイチョウ並木の60本や建国記念文庫の森を含めて、伐採・衰退の懸念がある樹木は989本だと指摘しました。

また、益田兼房工学博士は、神宮外苑の保全へ文化財として名勝指定することを提案しました。

(しんぶん赤旗2022年10月8日付より)