「語り継ぐことは責務」 関東大震災 朝鮮人犠牲者追悼式典

 関東大震災時にデマにより虐殺された朝鮮人らを追悼する式典が1日、東京都墨田区で開かれました。主催は9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会。事件の究明と犠牲者への謝罪を日本政府に求めています。

 1923年の関東大震災時、「井戸に毒を入れる」などの流言で、軍隊・警察・市民が、多数の朝鮮人、中国人、労働者らを虐殺しました。

 式典では、震災時10人ほどの朝鮮人を暴行して殺し川に放り込んだとの目撃証言が紹介されました。追悼碑の前で、白いチマ・チョゴリを着た韓国伝統舞踏家の金順子(キム・スンジャ)さんが鎮魂の舞を踊りました。

 日朝協会東京都連合会の宮川泰彦会長は「悲惨な歴史的事実を語り継ぐことは今を生きる者の責務」と話しました。

 歴代知事が送ってきた式典への追悼文を小池百合子知事が6年連続で中止していることについて、日本共産党の里吉ゆみ都議は「史実に目を背け特定の民族への差別を助長する」と批判。原純子都議も参加しました。

 日本平和委員会の西村美幸事務局次長は「加害の歴史を矮小(わいしょう)化することは次の戦争を準備するもの。差別と分断をあおる国家に対し、市民は連帯して平和を実現しよう」と述べました

(「しんぶん赤旗」2022年9月2日付より)