入管問題 ウィシュマさん映像閲覧 山添議員「集中審議を」

ウィシュマさんが収容中の映像記録閲覧にのぞむ各議員、右端は山添拓参院議員=27日、参院議員会館

名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が3月に亡くなった問題で、参院法務委員会は27日、監視カメラ映像を閲覧しました。秘密会の形式で開示され、同委の理事会メンバーが視聴。日本共産党から山添拓議員が出席しました。

開示されたのは、記録が残っているとされる2月22日~3月6日の約2週間分のうち、出入国在留管理庁が編集した約6時間28分。国家賠償訴訟をたたかうウィシュマさんの遺族が証拠保全手続きで閲覧した箇所全てと、国会が要求した部分があります。

山添氏によると、映像には、病院に行きたいと懇願するウィシュマさんに対して入管職員が「死なないよ」とまともに取りあわない様子や、なんの反応も示さないウィシュマさんを数分間じっと見つめる姿などがありました。

ビデオ閲覧後、理事懇談会で各会派10分の質疑を実施しました。山添氏の「ウィシュマさんがいた女子区には看護や介護の有資格者はいたのか」との質問に、入管庁の担当者は「有資格者はいなかった」と回答。また、証拠保全では映像記録の全てが保全の対象となっており、国会の求めがあれば対応すると答えました。

山添氏は「看護や介護の有資格者がおらず、『飢餓状態』を見落とした態勢は厳しく問われる」と指摘。入管庁の最終報告書には看守勤務日誌がなく、映像にあるようなウィシュマさんの状況を職員がどう認識し共有していたのかを明らかにするためにも開示すべきだと求めました。

野党は、閲覧した映像は一部にすぎないとして、死亡事件と最終報告書に関する集中審議を求めました。

(「しんぶん赤旗」2021年12月29日付より)